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    世界のクラブ事例

    ロックダウン後のグループエクササイズ:力強い再開を目指して

    中東最大級のプレミアムクラブ「アブダビカントリークラブ」は、6つのスタジオで実施される広範囲にわたるグループフィットネスメニューで知られています。しかしコロナによってクラス数の縮小を余儀なくされたとき、グループエクササイズマネージャーのアミールHべフォルーズ氏は、状況を回復させるための思い切ったプランを考案しました。ロックダウン後に参加者数を増やす秘訣とは?

    レズミルズ

    新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた時、アブダビカントリークラブ(ADCC)では、どのように対応したのでしょうか?

    アミールHべフォルーズ(アブダビカントリークラブ グループエクササイズマネージャー): 2020年3月にアブダビがロックダウンに入る前は、当クラブの会員も、スタッフも、インストラクターも、誰もが恐怖に陥っていました。チーム内でもコロナ感染者が多く出て、会員の40%が施設に来なくなりました。その時点ですでに外出禁止令とコロナ規制(クラブおよびクラスの定員を50%に削減)が敷かれていたので、スタジオの安全な運営、タイムテーブルの調整、そして万全な清掃を実施しました。不安と恐怖を感じている会員が多いのは分かっていたので、私たちはSNSを通じてこうした感染予防対策を広く発信し、クラブ会員の信頼と安心を築くことが最重要だと考えました。その結果、同年6月に再開したときには、新しい対策を講じることなく、会員への影響を最小限に抑えつつ制限下でクラブ運営する方法が身についていたのです。

    アミールHべフォルーズ(アブダビカントリークラブ グループエクササイズマネージャー)

    ロックダウンの間、会員がアクティブに過ごせるように、どのようなサポートを行いましたか?

    AHB: 日々戦略と作戦の繰り返しでした。先頭に立って指揮を取ることの重要性も感じていたので、中には実践的な取り組みもありました。ロックダウンに備えて、LES MILLS SMART TECHのイクイップメントを調達し、当クラブで販売開始しました。そして、外出を恐れるクラブ会員の元に100セットほどのイクイップメントと60台から80台のバイクを届けるため、私は自らトラックを運転し、ドバイとアブダビを往復しました。

    また、ロックダウン中はドバイの自宅へは帰らず、ADCCの施設に寝泊まりして、デジタルコンテンツの展開を現場で指揮することにしました。クラブ会員にLES MILLS On Demandを無料提供し、ほどなくレズミルズのライブ配信を開始し、その他のワークアウトや会員サポート用のライブQ&Aなども行いました。クラブ所属の素晴らしいインストラクターたちはそれぞれ自宅からクラスをライブ配信し、一方で私はADCCのスタジオでコンテンツ制作をしていました。初めて実施したBODYPUMP™のライブストリーミングクラスには10,000人もの参加者が集まる結果となり、既存会員のエンゲージメントを維持できただけではなく、大勢の新規オンラインファンをも獲得することができたのです。

    クラブ再開にあたりどのような施策に取り組みましたか?

    AHB: アブダビのロックダウンは2020年6月中旬に解除されました。私は、経営陣の支持を得て、直近のクラブサポートに必要な6つの項目からなる再開計画を立てました。

    1. 人気のクラスを中心にタイムテーブルを組み直し、各クラスの間に15分から30分空けてイクイップメントやスタジオを消毒する時間を設ける。

    2. 新しいプロセスに慣れるまでは週60クラスに減らし、参加者数と活気の戻り具合を見ながら、元の週140クラスに徐々に戻していく。

    3. 6つのスタジオでは、会員同士の間隔を3m確保して、定員の50%で運営する。

    4. 活動の場を失ったスキルの高いインストラクターを獲得する。既存のインストラクターのスキル向上、まだ活動できないインストラクターの継続的なサポートを実施する。

    5. グループフィットネスインストラクター全員に対し、隔週で無料のPCR検査を提供する。

    6. (クラス定員を減らしたが)インストラクター報酬はロックダウン前の水準を維持し、私や経営陣による全面的なサポートにより、今後も当クラブで働きたいと思ってもらえるようにする。

    再開後のクラブの業績はいかがですか?

    AHB: とてもいい成果を出せています。パンデミック下でクラブが生き残れたのはグループエクササイズのおかげだと思っています。会員やインストラクターがスタジオに戻ってきたときの興奮や喜びは、まるで魔法のようです。それどころかパンデミックが始まってから、ライブのグループワークアウトの人気が以前に増して高まっているのです。いまもスタジオは(継続するコロナ制限のため)定員50%で運営しているのですが、2021年の1月から4月の4ヶ月、ADCCのグループエクササイズの参加者は、2019年の同期比で81%、BODYCOMBAT™クラスにいたっては93%と高い数値を達成することができました。

    回復にもっとも効果的だったものは?

    AHB: まずは新規入会者を増やすために、パンデミック中に築き上げたオンラインのファン層を活用できたことです。クラブで制作したコンテンツだけではなく、Les Mills UNITEDリリースのRPMマスタークラスに私が参加したことも影響していると思います(下の写真をご参照ください)。いつもとは違うマスタークラスの形は、SNSで注目され、幅広いオーディエンスにリーチすることができました。(私と兄は、撮影のために砂漠の真ん中まで160km運転しました!)

    また、パンデミックをきっかけに、通常では考えられないような大胆なタイムテーブルの見直しを行なったことです。この結果、自分たちの強みをさらに強化し、新しいプログラムを試すことで、成長を促すことができたのです。例えばタイムテーブルにアウトドアのクラスをたくさん加えたのですが、アウトドアの環境の方が安心できると、いまや当クラブで大人気のクラスとなっています。

    そして、危機感やストレスの多い世の中にあって、クラブ会員がプレッシャーを逃れ、心から楽しめる場を提供することが我々の使命であると認識できたことです。そのため、インストラクターたちには、クラスに参加する会員ひとりひとりを温かく迎え、遅刻やクラス内の携帯電話使用のルールなど少し寛容に対応するよう促しました。音楽、ワークアウト、エンターテインメント性を備えたフィットネス体験を提供する場であり、それを第一に考えること大切さを改めてスタッフに共有しました。

    ここ数年でクラブにとって大きなチャンスとなるものは何でしょう?

    AHB: 将来的なビジネスモデルは、ライブクラス、ライブ配信、オンデマンドコンテンツなどをカバーするオムニチャネルになると思います。これら3つがあれば、クラブ会員のニーズ全てを満たす「魔法のピラミッド」を作り出すことができます。いまのうちにこのインフラを構築し、明確な方針を持つことが、将来の不測の事態に備えることにつながるのです。

    また、会員区分や料金体系も改善できると思っています。フル会員とグループエクササイズだけ利用する人を別に考え、誰もが気楽にスタジオに参加しやすく、さらに、使いやすい1日、1週間、1ヶ月パスなども導入するのです。

    現在ADCCで行っていることなのですが、いまこそスキルの高いインストラクターを新しく採用して、既存インストラクターのスキルアップを図るチャンスです。インストラクターこそクラブにとって最大の差別化要因であり、クラブにとって最大の収益をもたらす投資となるのですから。

    私たちのようなプレミアムクラブにとっては、ブティック体験を取り入れ、あらゆる体験を一箇所に集約することで、より多くの人に通ってもらい、結果売り上げアップにつなげることができます。当クラブのグループエクササイズの成功を支えるのはレズミルズのプログラムですが、クラブ会員により良い体験を提供し、若年層を惹きつける手段として、CEREMONYやCONQUERなどレズミルズの新たなブティックイノベーションについても検討しているところです。