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    フィットネストレンド

    フィットネス市場に押し寄せるデジタル化の波

    フィットネス業界のデジタルサービス拡大は、何年も前から予測されていたものとはいえ、新型コロナウイルス感染症の影響により、急加速しています。特に海外での浸透が早いですが、日本のフィットネス業界を取り巻くデジタルの台頭とクラブにとってどんなメリットがあるのか、世界事例を挙げながらご紹介します。

    サエコ

    拡大し続けるデジタルフィットネス市場

    米国の市場調査企業グローバル・マーケット・インサイツのレポートによると、世界のデジタルデバイスを含むフィットネス関連用品市場は2017年に100億ドル(約1980億円)を突破しており、2024年には140億ドル(約15,372億円)規模になると予想されています。最近成長しているフィットネスアプリはもちろん、クラブのマシンを活用したデータ収集、ウェアラブル機器なども含まれます。

    それでは、日本においてはどうでしょうか。20182月にマイクロソフトとIDCがアジア15カ国のビジネス意思決定者を対象に実施した “Unlocking the Economic Impact of Digital Transformation in Asia(アジアにおけるデジタルトランスフォーメーションの経済効果調査)では、2021年までに日本のGDP(国内総生産)の約50%をデジタル製品やデジタルサービスが占めると予測されています。また同年12月に電通デジタルとアプリを専門に分析するフラーが共同で行った「ヘルスケア&フィットネスアプリ市場調査レポート」によると、フィットネスアプリの利用率は2016年からの2年で5%から10%へと約2倍に伸び、さらにその成長が続くと言われています。

    デジタルサービスの重要性を押し上げた新型コロナウイルス

    上記データに裏付けられているように、フィットネスアプリを含むオンラインサービスが今後のビジネス成長にもたらす影響が大きいことは、何年も前から予測されていました。ただし、今回世界中に猛威を振るった新型コロナウイルスにより、外出自粛やソーシャルディスタンスが呼びかけられ、フィットネス業界のみならずデジタル化がさらに加速している傾向にあります。

    新型コロナウイルス自粛による「コロナ太り」やウイルス感染しないための免疫力アップのために、体を動かすことの重要性が改めて認識され、人々の健康意識が高まっています。20205月の第一生命経済研究所発行の「第2回新型コロナウイルスによる生活と意識の変化に関する調査(健康編)」によると、新型コロナウイルスの影響で「運動不足」と感じている人が7割を超えています。そして、体を動かしたいと思っていても、やり方がわからないという人が4割いることがわかりました。スポーツクラブが徐々に営業再開し始め、待ちわびた人が続々来館する一方で、「密」を避けるために通い控えしている人もまだ多いです。そこでスポーツクラブという物理的な「場所」だけではなく、オンライン上でエクササイズ提供する新しいサービスが求められているのです。

    次々と参入する大手企業

    アップルは革新的なフィットネスツールの発売に向け準備、フェイスブックはフィットネスのライブ配信を目論み、アマゾンは様々なフィットネスデバイスを発表し、フィットネスへの参入が加速しています。日本企業でいえば2018年にファミリーマートが24時間フィットネス事業へ参入、アパレル企業のTSIホールディングスがGOLD’S GYM原宿ANNEX内にインドアサイクリング専用スタジオを開設するなど、海外企業に比べてスピードは遅いものの参入している実績があります。

    クラブ運営者にとって、かつてないほど競争が厳しくなりましたが、希望がないわけではありません。新たな挑戦は、ビジネスチャンスを生む可能性も秘めています。新規参入企業にはない、今まで積み上げてきた、クラブ会員のコミュニティという強みがクラブにはあります。クラブは、デジタルフィットネスを上手く取り込むことによってビジネスを成長させ、“フィットネスの新時代”でさらに繁栄することができるでしょう。新型コロナウイルスにより、世界中のクラブ会員のデジタルフィットネスのニーズが高まった今こそが攻撃を仕掛ける絶好の時期なのです。

    クラブにとってのメリット

    業界観測筋からはオンデマンドフィットネスが、スポーツクラブの会員数に影響を及ぼすのではと懸念する声も多く上がっていますが、これを裏付ける数字はありません。デジタルフィットネス革命が近年勢いを強める一方で、クラブ会員数や普及率は着実に増加し続けており、2019年にはクラブ会員数は記録的な数字を達成しています。

    その中でもクラブ会員の維持は、クラブが常に抱えている課題の一つです。レズミルズで実施した調査によると、一般的な施設はクラブ会員数の50%を毎年失っています。ただしその中で、スタジオ(グループフィットネス)を利用している人は、ジム利用だけのクラブ会員と比べ、26%も退会率が低いこともわかっています。クラブ会員がエクササイズすることを習慣づけ、それを維持していけるようにクラブがサポートすることが重要なのです。長期的にクラブ会員と良好な関係を維持することが、クラブ離れをなくし、継続して通ってもらうことにつながり、クラブにとっては安定した利益になります。

    これはこのコロナ禍においてはなおさらです。クラブが、デジタル/オンラインサービスの提供を進める中で、「デジタルサービス会員」などの新しい会員形態の可能性もあるかもしれません。新たな市場が広がったいま、このような新たなサービスを活用することで、さらに新規会員を増やす可能性も広がってきているのです。オンラインサービスに加え、運動不足を解消するツールとして感度の高いユーザー(特にフィットネス業界として今後取り入れたい20-30代)にアプローチするいい機会になり得ます。

    世界で進むデジタルサービス

    イギリスでのEveryoneActiveというクラブは、会員向けサービスを強化し、新しい収益源を確保するために急速な進歩を遂げました。3月にロックダウンが開始されるとすぐに、5つのフィットネスアプリを組み合わせた一時的なデジタルサービスを、イギリス国内の190施設の会員に提供し、10,000人を超える会員が月額9.99ポンドの新しいサービスに申し込みました。その結果、ロックダウン中にビジネスを支える収益を生み出し、会員を維持することができたのです。これを受け、7月に新しいデジタルフィットネスプラットフォームを立ち上げ本格的にデジタルサービスをスタートさせました。

    中国のブティッククラブのShape (北京で10店舗運営)は、新型コロナウイルスロックダウン初日にWeChatTikTokなどのソーシャルメディアプラットフォームを使ったワークアウトのライブ配信を開始し、最高で10万人の視聴者を集め、すぐに収益化することに成功しました。Shapeはまた、12日間のオンライン脂肪減量トレーニングキャンプを開催し、インストラクターがオンライントレーニングとコーチングを実施しました。1000人以上の登録があるプログラムでした。Shapeにとってその収入は、ビジネスの好調を維持するのに役立ち、インストラクターの活躍の場を広げることもできました。

    「グループ効果」

    レズミルズでは、今後さらに拡大するデジタルフィットネスに向けてサービス展開を検討しています。新型コロナウイルスによって自宅で運動するための選択肢は広がりましたが、定期的な運動を促すためにはモチベーションが依然として重要な要素であり、それこそがクラブが重要な理由です。ライブクラスは会員のモチベーションを高めるエクスペリエンスで、それを裏付けするように、クラブ会員は非会員よりも平均して14倍多く運動していることが調査で示されています。

    ライブクラスのモチベーションとつながりによって、人々はより一生懸命運動し、より楽しく、より頻繁にクラブに通いたいと思うようになるのです。

    世界中の人々が何ヶ月もロックダウンを経験した中で、クラブにとっての課題は、デジタルと店舗をつなぐことです。デジタルの利点(イノベーション、利便性など)を活用しながら、ライブクラスが提供するモチベーションを融合させることで、今まで以上につながりを求めている人々のニーズに応えることができます。デジタルトランスフォーメーションを成功させたクラブは、コロナ危機を乗り越え、大きな飛躍を遂げるでしょう。