
おおよそ10年に一度のペースで、フィットネス業界を一変させる革新的なトレーニングが登場します。SpinningやTae Bo、Barry’s、SoulCycle、そしてお馴染みBODYPUMPなどがその代表です。これらは新たなトレーニング方法を生み出しただけでなく、フィットネスの概念そのものに多大な影響を与えてきました。
現代人はかつてないほど孤独や寂しさを感じており、その傾向は特にZ世代で顕著に現れています。この10年間で、「友人と過ごす時間」は70%も減少しており(英語のみ)、対面でのつながりを求める声はますます高まっています。WHO(世界保健機関)は孤独が健康寿命を縮める要因であると警鐘を鳴らしており、社会的なつながりが不足すると早死のリスクが30%高まる(英語のみ)と指摘しています。
こうした現状を踏まえ、対面でのフィットネス体験へのニーズは増える一方です。McKinsey & Companyのレポート「Future of Wellness(英語のみ)」では、今後消費者がより多く支出をすると予想される分野に対面式フィットネスを挙げています。このトレンドに着目してグループフィットネスを強化すれば、クラブの飛躍的な成長につながるでしょう。日頃からスタジオを利用する会員は継続率が高いため、利用しない会員と比べて生涯価値が高い点を見逃してはいけません。
しかしながら、もはや従来の常識が通用しないのも事実です。新たな消費者層にもコミュニティを求めるムーバーはいるものの、第1歩を踏み出せないケースが多いようです。Z世代に関するレポート「Gen Z Fitness: Cracking the Code」によると、Z世代の50%が「定期的なエクササイズを望んでいる」と思いながらも「始めるには手助けが必要だ」と感じています。また、14%は「ジムに行くのが怖い」、22%は「一緒にトレーニングする仲間がいない」と回答しています。
こうした課題に向き合わず、新規会員に対して個々に適した対応を行わないクラブ運営者は少なくありません。来館可能な時間や現実的な目標設定についての率直な対話といったおンボーディングプランをせず、ただ事務的な入会手続きだけを進めてしまいがちなのです。その結果、「思っていたものと違う」と感じた会員は早い段階で退会してしまい、その補填のためにより多くの費用をマーケティングに当てる羽目になることもあります。
ではクラブ運営者は、どのようにして現代の消費者層が求める適切なサポートを提供しながら、同時に新しい形のワークアウトを定着させることができるのでしょうか? ここで注目すべきはグループフィットネスです。コミュニティ形成、モチベーション維持、もたらされる結果などの長所に加え、グループフィットネスは次のような革新的要素も持ち合わせています:
- フロアコーチングの強化などによる、よりパーソナルな体験
- 挑戦と興奮を提供するフレッシュな音楽と動き
- ダイナミックな環境での没入体験
- ジムエリアでのクラス展開によるエネルギーの向上および新規参加者の獲得
- 次世代インストラクターの採用と育成をスムーズに行うシステム
モチベーションの創造を使命に、Les Millsは、会員が決して飽きることのない最高の体験を追求しています。だからこそ、新時代のグループフィットネスをリードすべく、常にプログラムは進化を続けているのです。
BODYCOMBATやBODYPUMPといった定番プログラムをアップデートしながら、LES MILLS PILATESやLES MILLS THRIVEといったニュープログラムの開発にも力を入れることで、私たちはタイムテーブルに新たなエネルギーを注入しています。そうすることで、Les Mills導入クラブが常に業界の最先端であり続けられるようバックアップしているのです。すでにグループフィットネスの新時代は始まっており、行動力のあるクラブ運営者は一歩先を行っています。では、一部クラブの成功事例を紹介していきましょう。
高い継続率を維持する
クラブの成長を加速させるためには、グループフィットネスが鍵となります。例えば、ドイツで165の施設を運営するLifeFit Group社のCEO、マーティン・シーボールド氏は、この数年間で毎年30~50の施設をオープンするという計画を進めています。その戦略の中核をなすのが、言うまでもなくグループフィットネスの強化なのです。「ジムエリアでのイノベーションには限界があります。だからこそ、私たちはスタジオとグループフィットネスにフォーカスすることを決めました」とシーボールド氏は述べています。
会員数の増加に伴い、退会者数が増える傾向はごく一般的なことです。現在、同施設での継続率は80%で、この数値を維持するため、シーボールド氏はグループフィットネスを活用したいと考えています。「80%の継続率を維持するために、より多くの会員にスタジオを利用してもらいたいと考えています。各クラスには十分なスペースがありますし、何よりインストラクターと会員が交流を持つことで、強いコミュニティを築くことができるのです。その結果、会員同士の絆も深まり、ジムを退会する可能性は大幅に低下します。だからこそ、スタジオは私たちの成長戦略の中核を担っているのです。高い継続率を維持できれば、投資に対するリターンも大きくなります。グループフィットネスは、極めて高い投資対効果をもたらすのです」。
新たな層をスタジオに呼び込む
新たな層の獲得をコンセプトに、Les Millsでは日々ニュープログラムの開発に余念がありません。高重量を上げるのに夢中な人から、自分に合ったプログラムを見つけらずにいる人まで、今までグループフィットネスとは無縁だったジムエリアの会員に向けて、Les Millsはまったく新しい形のプログラムを提案します。
多くのフィットネス関連企業と同様に、イギリスのフィットネスクラブ、Bannatyneにとっても新たな層の獲得は最重要事項でした。そこで、ステーション形式のフルボディサーキットワークアウト、LES MILLS CEREMONY(日本未導入)の導入を決断したのです。同施設の前プログラム責任者、オリバー・コックス氏は次のように述べています。「ピーク時にジムエリアの混雑を和らげるためにも、若い会員にとってより魅力的なスタジオクラスを提案したかったのです。その点LES MILLS CEREMONYは、新しい体験を提供するいい機会になっています。これまでのグループフィットネスとは異なり、没入感のような感覚を味わえるプログラムです」。
「ニュープログラムの導入後、印象的な出来事が2つありました。まず、これまでもグループフィットネスのクラスに参加していた会員が、Les Millsの代表的なプログラムとLES MILLS CEREMONYのどちらも楽しんでいることです。さらに注目すべき点は、LES MILLS CEREMONYを通じて新しい層の会員がスタジオクラスに参加していることです。実際、参加者の25%がグループフィットネス初体験でした。現在スタジオの稼働率は非常に高く、これまでジムエリアでファンクショナルトレーニングに励んでいた会員もスタジオの魅力に気づいたようです。ファンクショナルトレーニングを魅力的な環境で提供するグループフィットネスは、会員の新たな挑戦をあと押ししています。本当に素晴らしい変化です」。
LES MILLS CEREMONYの成功はもちろん、これからもスタジオにもたらすであろう影響力が評価され、Bannatyneではより多くの店舗でプログラムの導入を始めています。
新時代のグループフィットネスは、これまでスタジオとは無縁だった男性層の注目を集めています。Fitness and Lifestyle Group社のナショナルグループフィットネスマネージャー、ニコール・グレインジャー氏は次のように述べています。「LES MILLS CEREMONYは、男性会員をグループフィットネスに呼び込む上で重要な役割を果たし、我々がマーケットリーダーとしての地位を確立する手助けとなりました。オーストラリア・リッチモンドの施設では、LES MILLS CEREMONYの参加者は65%が男性で、平均年齢は34歳です。他のクラスと比較しても、はるかに若い層の獲得につながっています」。
「LES MILLS CEREMONYは、グループフィットネスとジムエリアトレーニングのハイブリッドとして独自のポジションを確立しています。おかげで、高品質で革新的なトレーニングを提供する施設として、さらに高い評価を得られるようになりました」。
パーソナルトレーナーの活動範囲を拡大する
革新的なニュープログラムの順応性とコーチングスタイルに可能性を見出したクラブは、パーソナルトレーナー(PT)向けの研修を行い、スタジオクラスを担当できるインストラクター陣の強化に着手しています。施設所属のPTにクラスを持たせることで、フリーランスインストラクターにかかるコストを抑えると同時に、会員とのコネクション向上につなげることができます。The Edge Fitness Clubsの副社長、エリカ・ザレタ氏は、LES MILLS CEREMONYを担当するインストラクターの90%を施設所属のPTから起用しました。そのプロセスは、PTたちが抱いてた固定観念を取り払い、「新時代のグループフィットネス」への理解を深めてもらうことから始まりました。
「当初、Les Millsのクラスを担当することが自分たちのキャリアにどう影響するのか、PTたちはイマイチ理解していない様子でした。しかし、プログラムの科学的根拠やローンチ前の徹底的なテストなど、Les Millsから直接説明を受けたことで意識が大きく変わったのです。さらに、すでにインストラクターとして活動していた同僚がメンターとしてサポートし、PTたちのあらゆる疑問に答えてくれたことも大きなあと押しとなりました。PTたちは、Les Millsの哲学を学ぶことにも前向きでした。8時間の研修を終える頃には、まったく新しい視点を持っていました」。
同施設での研修を担当したLes Mills USのトレーナー、サラ・グルーバは、LES MILLS CEREMONYのフロアコーチングがPTにとって魅力的に映ったのではと指摘します。「PTの中には、スタジオのステージに立つことに前向きでない人もいます。そのため、グループフィットネスへの挑戦に対し慎重になりがちです。しかし、LES MILLS CEREMONYは、クラス参加者に安全かつ効果的なワークアウトを提供するだけでなく、PTがより自然でいられる内容になっています。「振付/コリオグラフィー」に対する先入観から解放され、PTにとってはお馴染みであり、同時に彼らが最も大切にしていること、つまりコーチングに集中できるのです」。
クラブ運営を支えるサポート
グループフィットネスの新たな領域に踏み出すことは、会員にとってのメリットにとどまらず、クラブの運営にも大きな影響をもたらします。Les Millsは、クラブが直面する最も重要な課題に対する包括的サポートを提供し、結果としてクラブの価値を高めています。最後に、世界中のクラブ運営者から届いた声を紹介します。
「運営の観点から言えば、Les Millsのサポートと知見はクラブの成長をあと押しする上で非常に貴重な存在です。業界を熟知した専門家に相談できる環境は、日々忙しいクラブ運営者にとってとてもありがたいです」
- レナーテ・ファン・シュターデン(Forsyth Country Clubフィットネスディレクター)
「Les Millsは素晴らしいパートナーであり、様々な場面で積極的に関わってくれました。ヘッドコーチのトレーニングから営業やマーケティングへの情報提供まで、多方面でサポートしてくれました。スタジオ設計のアドバイスも非常に価値あるものでした」
- ニコール・グレインジャー(Fitness and Lifestyle Groupナショナルグループフィットネスマネージャー)
「Les Millsは、スタッフの意識改革をする上で不可欠な存在でした。ローンチ前に何度も施設を訪れ、まずはグループフィットネスマネージャー向けの説明会を行い、続いてアシスタントジェネラルマネージャー向けのプログラムミーティングを実施しました。さらに、ローンチ前には全スタッフに向けた研修を行い、LES MILLS CEREMONYについての十分な知識を持って会員に対応できるよう準備を整えました」
- オリバー・コックス(Bannatyne前プログラム責任者)
「今、私たちのビジネスでは運営の卓越性に焦点を当てています。競合との差別化を心配する前に、基本を正しく実行すべきです。もし競合が同じプログラムを提供していたとしても、まったく気になりません。Les Millsは、各プログラムのリリースごとに驚くほどの投資とリソースを投入しています。私たち自身でスタジオプログラムを作るよりも、Les Millsの提供するものを活用した方が、はるかに優れたものになるのは明らかです。スタジオプログラムを独自に開発しようとするのは合理的ではありません」
- マーティン・シーボールド(LifeFit Group CEO)
会員をジムエリアからスタジオへと誘導することは、クラブの成功にとって欠かすことのできない取り組みです。ご相談などあれば、ぜひLes Millsにお問い合わせください。