特にクラブが少ない地域で活動しているインストラクターにとって、継続的にレギュラークラスを持つことは容易なことではありません。ライセンスを取得したばかりの新人インストラクターから、より多くの機会を模索しているベテランインストラクターまで、この記事を読めば成長する可能性はグッと上がるでしょう。キーワードは、「根気強さ」「積極性」「人脈作り」です。
1. シャドー、メンターシップ、チームティーチング
あなたがライセンスを取得したばかりのLes Millsインストラクターなのであれば、まずは先輩インストラクターのシャドー(クラスを担当するインストラクターの横で、コーチングをせずにプレゼンテーションだけをすること)を買って出ましょう。また、クラスの準備を手伝い、イベントがあればボランティアとして参加することをお勧めします。こうすることでスキルや自信が高まるのはもちろん、より多くの会員に自分のことを知ってもらうことができます。
アメリカ・テキサス州ヒューストン出身のニコラ・スマイルスはこう振り返ります。「地道な努力が身を結ぶことを信じて、可能な限りスタジオに顔を出し、手伝えることがあれば何だってやりました。シャドーとしてクラスに参加するたびに、参加者とのコネクションの取り方や声の出し方などを学びました。インストラクタージャーニーの初期から多くの現場に足を運んでいたからこそ、今の私があるのです」。
現在、週に9本のクラスを担当しているイギリス・バーミンガム出身のジェイク・アンガーも同意見です。「私は、メンターのヘレンが担当するすべてのクラスでシャドーをし、毎回フィードバックをもらいました。最初は2トラック、そして4トラックと、シャドーを重ねるたびに担当トラックが増えていきました。ヘレンが私のことをよく知ってくれていたこともあり、ついには代行を頼まれるようになりました。そして、彼女が引越しで街を去った時、自然と私がクラスを引き継ぐことになったのです。大切なのは、人とのつながりと積極的な姿勢です」。
2. 積極的に代行を引き受ける
インストラクターの多くは、FacebookのLes Millsコミュニティで仕事を見つけています。自分が空いている日時を投稿したり、インストラクター同士の会話に参加したり、代行を引き受けたり、積極的にコミュニティの輪を広げていきましょう。
代行を終えたら、遠慮せずクラス参加者にフィードバックを尋ね、その感想をクラブマネージャーにもシェアしてもらいましょう。集合写真をSNSに投稿することもお忘れなく。コネクションを築くのにとても役立ちます。
オーストラリア・アデレードで活動するジョシュ・ファーマーは言います。「あらゆるチャンスを逃さないように、私は可能な限りの代行を引き受けました。もちろん、自分のクラスのつもりで常に全力で臨んだことは言うまでもありません。代行を通じて新しい人と出会い、同時に新たなチャレンジに直面することで、大きく成長できたと思っています。何より大切なのは『継続』です。続けていれば、必ず誰かが気付いてくれるのです」。
クラブによっては、専用のWebやSNSのグループで代行依頼を管理していることがあります。代行をチャンスと捉えるならば、見逃さないよう定期的にチェックしましょう。
3. Les Mills Connectを活用する
Les Mills Connectの「クラスを探す」機能では、自分の空き時間や活動エリア、プログラムを設定し、クラブに直接メッセージを送ることができます。ここでクラスの担当インストラクターを探しているクラブは少なくありません。
Les Mills Connectでは、プロフィールをSNSのように活用することができます。写真やライセンスプログラムをやクラス担当可能な時間帯を登録するなど、クラブに向けて自分の情報を発信することが可能です。また、代行リストに登録することで、チャンスが広がる可能性もあります。
Les Mills Japanトレーナーの太田創士(Soushi)は、この機能を重要視しているひとりです。「もし働ける施設を探しているのなら、Les Mills Connectを最大限に活用し、プロフィールを充実させることが大切です。そうすることで、自分がどんな人であるかをクラブに伝えられ、強い印象を残すことができます。もし、あなたがクラブの採用担当者だったとしたら、空欄だらけのプロフィールと適度な情報量のプロフィール、どちらが目に留まると思いますか?」
ヨルダン・アンマン出身のオマール・イムランは言います。「私は毎日のようにLes Mills Connectを使っています。日々、新しい機会がないかをチェックするためにログインします。アセスメントやトレーニングセッションの管理にも使えるので、とても便利なプラットフォームです」。
4. 自らチャンスを創り出す
施設のグループフィットネスマネージャーとの関係性を築き、さらに、クラス参加者からの好意的なフィードバックやクラスの集客力が安定してくると、思いがけずにチャンスが広がることもあります。そこで、新しいプログラムの導入をクラブに提案してみてはいかがでしょうか? 会員に響きそうなLes Millsプログラムがあれば、場合によっては、クラブがあなたのトレーニング費用を負担してくれることもあります。
自身の経験について、ジェイク・アンガーは興味深いエピソードをシェアしてくれました。「LES MILLS TONEに関しては、『これは絶対に流行ります! 試してみるべきです!』と、クラブに提案しました。タイムテーブル更新のタイミングで、クラブは私のために枠を確保してくれました。今では、週3本のLES MILLS TONEを担当しています」。
5. 学びと向上を続ける
QWS(クォータリーワークショップ)に参加し、トレーナーにフィードバックを求め、他のインストラクターを観察し、自分のスキルを磨き続けましょう。
ニコラ・スマイルスは言います。「担当したすべてのクラスでフィードバックを求めました。直接聞くこともあれば、参加者の表情から読み取ることもありました。また、他施設のインストラクターも参加するようなワークショップにも足を運び、徹底的にスキルを磨くことに注力しました。指導方法は進化し続けるべきものであり、学びに終わりはありません」。
6. クラス参加者との関係性を築く
クラス参加者と個人レベルでつながることで、信頼関係が芽生え、スタジオに支え合いの雰囲気が生まれます。
ジョシュ曰く、結局は人と人のつながりが重要とのことです。「ただ身体を動かすのではなく、そこには人が存在するのです。私はクラス参加者の名前を覚えることから始め、『最近はどう?』と声をかけるなど、誰もがチームの一員だと感じられるような雰囲気作りにこだわっています。そういった信頼関係があるからこそ、会員はスタジオへ通い続けるのであり、ひいては自分の自信にもつながっていくのです」。
7. 戦略的にSNSを活用する
自身のインストラクタージャーニーや担当クラスでのハイライト、モチベーションを高めるコンテンツなどをSNSで発信し、自分という存在の魅力を高め、新しいファンを獲得しましょう。
「SNSでは、自分のストーリーをありのままに発信しています。クラスの動画を投稿したり、オンラインでもクラス参加者と交流しています。リアルな現場で築いたコミュニティをさらに広げる手段になりますし、新しい人とつながるキッカケにもなるのです」と、エイミー・ルッソは言います。
また、SNSを活用すれば、新しい参加者をクラスに呼び込むことができるかもしれません。Les Mills Japanトレーナーの針本樹(Harry)は、「SNSがキッカケでクラブに入会した人もいます! ある方は、私が発信したコンテンツを通じてLES MILLS TONEを知り、クラスを体験するためにスタジオにきてくれました」と、自身のエピソードを紹介してくれました。
新規店を含め、近隣のクラブのSNSアカウントを見つけたら、自身の投稿にタグ付けしてみてもいいかもしれません。さらに、#lesmills、#レズミルズ、#bodycombat、#グループフィットネス、#instructorなど、Les Millsやフィットネス関連のハッシュタグを活用することで、同じ趣味趣向の人たちにリーチしやすくなります。ハッシュタグについては、自身の投稿に付けるだけでなく、前述のようなハッシュタグが付いた投稿にいいねをしてあげることで、自分の存在を知らせるという使い方もできます。
クラスを担当する時や施設を訪れる時は、必ずクラブをタグ付けして投稿しましょう。もし、「ぜひとも働きたい!」と思っている特定のクラブがある場合、自身のワークアウト投稿に施設をタグ付けするのもいいでしょう。例えば、「@〇〇ジムにLes Millsのエネルギーを届けたい!」といったキャプションとともに投稿することで、施設のグループフィットネスマネージャーの目に留まる可能性もあります。
8. 常にアンテナを立てる
Googleマップを使って近隣のクラブを探したり、「新規オープン ジム (あなたの住んでいる街)」や「フィットネスクラブ オープン 2025」などのキーワードでGoogleアラートを設定したり、デジタルの利点を存分に活かしましょう。また、大手クラブチェーンや地元のクラブのSNSをフォローすることで、新しいチャンスを見つけやすくなります。大学や市町村のフィットネス施設も忘れてはならない存在です。
新規店や近隣クラブの投稿には、いいねやコメントをすることで積極的に関わりを持ちましょう。自分を売り込む前に、まずは関係性を築くことが大切です。また、ローカルのニュースサイトやブログをチェックして、新しいクラブのオープンやフィットネスイベントの告知をキャッチしましょう。
9. 「Why(なぜやるのか)?」を忘れず、ポジティブであり続け、小さな成功を祝う
インストラクタージャーニーにおいて、どんなに些細な目標でも達成を祝福し、常に前向きな姿勢を保ちましょう。困難に直面した時は、「なぜこの道を選んだのか」を思い出してください。「誰かを励ましたい」「力を与えたい」あるいは「自分自身を変えたものを誰かと共有したい」という熱い想いがあなたを支えてくれるはずです。
Les Mills Japanトレーナーの小西沙亜耶(Saaya)は、こんなアドバイスを投げかけます。「自分が住んでいる地域や身のまわりの環境によって、なかなかチャンスに巡り会えないこともあります。でも、『やってみたい』という気持ちを大切にしてほしいです。今は空きがなくても、情報を収集し、アンテナを立て、クラブのスタッフや先輩インストラクター、トレーナーとつながりを持ち続けることが大事です。自分の存在を知ってもらうことが次のチャンスにつながるはずです!」
最後は、ダニエル・カーク=バグリーの言葉で締めくくります。「私は、Les Millsのプログラムを通して得たものを誰かと分かち合いたいのです。失敗したり自信を失う出来事があったとしても、この目的を思い返すことで、他愛のないことだと思えるのです」。