インストラクターストーリー:あなたは誰かの支えになっているのかもしれません

クラス参加者の中には、スタジオを単なるワークアウトの場としてではなく、日々の悩みを忘れさせてくれる場と捉えている人もいます。それだけに、Les Millsインストラクターの任務は重大であると同時に、そのやり甲斐も計り知れないものなのです。では、心を動かされるエピソードをいくつかご紹介しましょう。

グループフィットネスのインストラクターをやっていれば、参加者にとってクラスがどれほど大切な時間であるかわかっているはずです。ぜひ、グループフィットネスを始めたばかりの自分自身を思い出してみてください。精神的な強さ、自分の居場所を見つけた安心感、そして非日常的な時間……。これらすべては、目の前でクラスをリードするインストラクターの存在によってもたらされるものです。

自分がマイクをつける立場となった今だからこそ、時には立ち止まって、「自分がどれほどの影響力を持っているのか」を見つめ直してみましょう。

一見すると笑顔や笑い声で溢れるスタジオですが、何かしらの不安を感じている人、医療的な問題と戦っている人、依存症を抱えている人など、様々な事情を持つ人がいるかもしれません。そういった人たちにとって、あなたのクラスは生きるための支えであり、かけがえのない居場所なのです。

うつ病の症状を改善したり、孤独感を和らげたり、運動がもたらすポジティブな効果を知ることは、インストラクターの価値を再認識する意味でも素晴らしいことです。しかし、インストラクターの存在意義を心の底から実感させてくれるものは、時に手書きのメッセージカードであったり、参加者との何気ない会話であったりします。そういったふとした瞬間にこそ、「日々の努力は決して無駄ではなかった」と感じさせてくれるものがあるのです。

今回は、Les Millsインストラクターに心に残るエピソードを共有してもらいました。

「私たちインストラクターは、必ずしも自分の影響力に気づいているわけではありません」サラ・ノーマン

Les Mills Instructor Sarah Norman

イギリスのレスターやノッティンガムのクラブで、様々なLes Millsプログラムのクラスを担当しているサラ・ノーマン。以前、自身のBODYBALANCEクラスに通うことで、家族との死別という悲しみを乗り越えた参加者がいたそうです。「きっと、安全でエネルギーに満ちた空間を感じ取ってくれたのでしょう。辛い時期を乗り越える上で、私のクラスが支えになったと聞かされた時は、本当に胸がいっぱいになりました。私たちインストラクターは、必ずしも自分の影響力に気づいているわけではありません。しかしながら、クラス参加者の心の健康や自己認識に与える影響はとても大きいのです」。

「彼女が最も安心ができる場所、それがスタジオだからです」エマ・マクドナルド

Les Mills Instructor Emma McDonald

「グループフィットネスは、時に人の命を救うことがあります」と、イギリス・グラスゴーを拠点に活動するエマ・マクドナルドは言います。「以前、『BODYCOMBATは私の命の恩人だ』と話すクラス参加者がいました。家族を亡くしたことで孤独に苦しんでいるが、スタジオで寂しさを紛らわしていると言う参加者もいます。ある女性は、不安障害のため旅行へ行くことはあきらめたけれど、クラスだけは絶対に欠かさないと言ってくれました。なぜなら、彼女が最も安心ができる場所、それがスタジオだからです」。

「インストラクターとして、これほど自分を誇れる瞬間はありません」ガブリエル・ウルタード

Instructor Gabriel Hurtado

12年前、初めてジムに入会した当時のガブリエル・ウルタードは、肥満体型に悩む内気な青年でした。それが今ではLes Millsのインストラクターになり、包摂性をモットーに日々活動しているのです。

ガブリエルが担当するBODYCOMBATクラスには、熱心な女性参加者がいました。ある日、彼女は「背中のケガで車椅子生活の夫もクラスに参加できますか?」と尋ねてきました。少しもためらうことなく、ガブリエルは彼女のご主人を温かく迎え入れました。「インストラクターとして、これほど自分を誇れる瞬間はありません。ご夫婦でクラスに通い始めてしばらく経った頃、2人にとってクラスがどれほど大きな意味を持つものなのか、奥様がそっと教えてくれたのです。背中のケガ以降、共通の趣味を見つけるのに苦労していたそうですが、私のクラスで再び一緒に楽しい時間を過ごせるようになったと言ってくれたのです。ご夫婦の大切な時間に関われるなんて、本当に素晴らしいことです」。

「彼は『クラスのおかげだよ!』と、とても誇らしく語ってくれました」ケイティ・ガルブレイス

Les Mills Instructor Katie Galbraith

ウエストスコットランド在住のケイティ・ガルブレイスは、自身が経営するクラブ、The Happy Wee Health Clubでインストラクターとしてクラスも担当しています。今回、運動の重要性を再認識させてくれるエピソードをシェアしてくれました。「私のクラブで、定期的にBODYCOMBATとLES MILLS COREのクラスに参加してくれる男性会員がいます。前立腺がんの手術を受けたことがある方なのですが、担当医から『素晴らしいですね! 実に体幹が強いですね!』と褒められたそうです。当の本人は『クラスのおかげだよ!』と言っており、私たちも大変誇らしく思いました。今では完全復活し、日々大好きな運動を楽しんでいます!」


「何と12ヶ月で約50kgも減量することに成功したのです!」マシュー・スラクストン

Les Mills Instructor Matt Thraxton

中国・上海を拠点とするLes Millsのトレーニングマネージャー、マシュー・スラクストンにとって、とあるクラス参加者から伝えられた感謝の気持ちは決して忘れることのできないものになりました。そのオニーという名の参加者は大きな身体をした内気な男性で、当時、人生に思い悩んでいました。それが現在では、健康的に日々を楽しむ人生へと変わったのです。「クラスのことはもちろん、すべての励ましやサポートについて私に感謝の気持ちを伝えてくれました。彼はスタジオが大好きで、いつもBODYCOMBATのクラスを楽しみにしています。奥さんのサポートもあり、何と12ヶ月で50kg近くも減量することに成功したのです!」

最近発表されたレポート、「Social Value of Group Excercise(英語のみ)」によると、グループフィットネスの社会的および経済的な価値の大きさが明らかになりました。イギリスでは、53億ポンドもの社会的価値があると報告されています。


「私にとって、本当に大きな意味を持つ強力な出来事でした」メノ・トーマス

Les Mills Instructor Meno Thomas

このところ世界規模で人気上昇中のLes Millsプレゼンター、メノ・トーマスによると、グループフィットネスには自信を高める効果があるようです。「自分のプライドストーリーに影響を受けて、家族にカミングアウトする決心ができたというインストラクターがいました。私にとって、本当に大きな意味を持つ強力な出来事でした。なぜなら、自分のありのままを世界に示すことがどれほど勇気のいることか、私自身がよく知っているからです」。

「彼女は、私たちの言葉がいかに意味のあるものだったかを話してくれました」ダニー・レイナー

Les Mills Instructor Danny Raynor

ダニー・レイナーは、BODYATTACK、BODYPUMP、LES MILLS GRIT、そしてLES MILLS CEREMONY(日本未導入)のインストラクターであり、アセッサーでもあります。今回、乳がんの化学療法を受けていたクラス参加者にまつわるエピソードを紹介してくれました。「その参加者は、徐々にクラスから足が遠のいていました。でも私たちは、『自分のペースで構わないので、できる範囲でスタジオにきてください!』と、彼女を誘い続けました。後になって彼女は、私たちの言葉がいかに意味のあるものだったかを話してくれました。たとえ途中でスタジオを出なくてはいけなくなっても、『クラスに参加できる』という選択肢があるだけで仲間たちに支えられていると感じたそうです」。

「『気分がよくなった!』と、わざわざメッセージをくれます」ジャスティン・ライリー

Les Mills Instructor Justin Riley

イギリス・ヒンクリーで活動してているジャスティン・ライリーは、自己肯定感が低いことで悩んでいる人こそ、スタジオにくることが大きな一歩になると語ります。「もう5年以上の付き合いになるクラス参加者がいます。その方は、私が担当するBODYCOMBAT、BODYPUMP、LES MILLS COREのクラスに長く参加してくれています。彼女は、自己肯定感の低さやメンタルヘルスに悩んでいました。それでも、自分を奮い立たせてスタジオに顔を出した時、『気分がよくなった!』と、わざわざメッセージをくれます」。


「私たちの影響力を知り、本当に身の引き締まる思いです」レオナ・ペッチ

Les Mills Instructor Leona Petch

LES MILLS PILATESやLES MILLS SHAPES、LES MILLS STRENGTH DEVELOPMENTなど、様々なプログラムを教えているレオナ・ペッチ。彼女は、息子の重病と向き合いながら50kgもの減量に成功した方のエピソードを語ってくれました。「その方は、息子さんが入院中という大変な状況にも関わらず、今も変わらずクラスにきてくれます。彼女曰く、『ワークアウトが感情のコントロールにつながり、家族を支えるための力を授けてくれる』とのことです。さらに、フィットネスコミュニティが大きな支えになっているとも言ってくれました。私たちの影響力を知り、本当に身の引き締まる思いです」。

「Psychology of Sport and Exercise」に掲載された研究によると、身体活動を伴うコミュニティに属することは、うつ病の予防に効果を発揮する可能性のあることがわかりました。グループフィットネスならではの社会的支え合いが、こうした効果につながっているのではと考えられています。


「一見すると楽しんでいないように見えても、絶対にそう決めつけないでください」ホリー・メイソン

Instructor Holly Mason

スコットランド・ファイフでクラスを教えているホリー・メイソンは、一見すると熱心でないように見える人こそ、実は最もクラスを必要としている可能性があると言います。

「あまり笑顔を見せなかったり、イマイチ反応がなかったりする参加者であっても、実は誰よりもクラスを愛しているかもしれません」とホリー。「あなたのクラスは、その人にとって1日あるいは1週間の中で最大の楽しみになっているかもしれないのです。だからこそ、一見すると楽しんでいないように見えても、絶対にそう決めつけないでください。表には出さなくても、辛い時期を乗り越えるための支えになっているかもしれないのですから」。

「成長過程を見守ることは、私にとって最高の喜びです」ヴィリ・フィフィタ

Les Mills Instructor Vili Fifita

ヴィリ・フィフィタは、自信と自己肯定感を育む上で、いかにグループフィットネスが重要かを力説します。「思わずガッツポーズが出てしまうような達成感を、たくさんの人に味わってもらいたいです。特に、いつもスタジオの後列を選んでしまう引っ込み思案な人たちにこそです。クラスに参加しているうちに、そういった人も徐々に自信をつけて、少しずつ前の方へ出てくるようになります。そして気づけば、自分から曲をリクエストしたり、最前列で皆を引っ張るまでになります。そんな成長過程を見守ることは、私にとって最高の喜びです」。