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    フィットネストレンド

    コアを鍛える:クラブが活用できる腹筋トレーニングのトレンド

    振動ベルトや腹筋ローラー、8分間の腹筋運動、さらには効果が未知のウエスト用コルセットなど、コアトレーニングには様々な方法や流行りがあります。今後、コアトレーニングはどう進化するのでしょうか。腹筋トレーニングの専門家たちに、クラブ運営者が今後注目すべきトレンドについて話を聞きました。

    エマ・ホーガン

    クランチの減少

    かつては腹部のトレーニングといえば、クランチと腹筋が主流でした。しかし、クランチを集中的に実施するのはもう古いトレンドです。理学療法士でありレズミルズの研究責任者であるブライス・ヘイスティングスは、この新しい流れに向き合いましょう、と話します。「私たちが日常でクランチの動作をするのは、おそらく1日に1回だけ、朝起きるときだけでしょう。それ以外の時間は、全身運動する際にしっかりと胴体をサポートするのがコアの大事な役割なのです。」

    ヘイスティングスは、統合的なコアトレーニングがコア強化に効果的と説明します。「統合的なコアトレーニングとは、上半身と下半身に負荷をかけながらコアを使い、プランク、ホバー、スクワットなどのエクササイズを行うことを意味します。クランチのような一部の強化のためのコアワークが必要な場面もありますが、腕と脚に負荷をかけながらコアトレーニングすることで、日常生活で最も頻繁に使う筋肉の収縮を促すのです。」

    ホバーとプランクは継続

    専門家チームは、ホバーやプランクを超えるコアトレーニングは無いと口を揃えます。運動学者でクラブオペレーターのジンジャー・ゴッシャル博士は「プランクは、コアを鍛えるために最も効果的なトレーニングであり続けています」と言います。「(プランクでは)肩から腰、背中から前面、そして体の両側まで、3面運動でコアを鍛えます。」

    キネシオロジーの助教授であり、生体力学とスポーツ外傷の講師であるジリアン・ハットフィールド博士は、ホバーは複数の筋肉に効くことから特に効果的だと考えています。また、それによって、ホバーの人気は継続すると話します。

    「ホバーは上半身(特に肩まわりの筋肉)、下半身(特に腰まわりの筋肉)、そしてその間の腹部と腰の筋肉に作用する素晴らしいエクササイズです。筋力の強化に加え、ホバーは持久力も向上させます。これは我々が日々活動するためコアは働き続けるため、重要なことです。」

    研究によると、ホバー(フロントブリッジとも呼ばれます)が最も筋肉の活性化を誘発することが分かっています。また、ハットフィールド氏は有効なトレーニング方法として、「ホバーしながら腕や脚を上げて筋肉への負荷を高めることや、ベアクロールのような動きを追加してクロスパターンのコアワークも可能です」とさまざまな動きの組み合わせを提案します。

    「クロスパターン」が効果的

    ハットフィールド氏は、今後数年間で「クロスパターン」への注目が高まると予想しています。つまり、ベアクロールやデッドバグのような動きがさらに普及する可能性があります。クロスパターンは反対側の手足を連動させながら体幹を鍛えるファンクショナルトレーニングのことで、日常生活で行うクロスパターンの動きを反映しています。「ウォーキングとランニングする時の腕と脚の動きを思い出してください。右脚が前に出る動きと連動して、左腕も前に出ますよね。」

    ハットフィールド氏は、コアトレーニングが進化する中で全身運動をより多く取り入れるようになり、パフォーマンス向上を目指すアスリートにますます受け入れられるようになると予測しています。最近の研究では、6週間の統合的で機能的なコアトレーニングプログラムを完了したランナーは、ランニングエコノミー、スピード、対称性が改善されたことが示されました。

    リアクティブコアトレーニングの強化

    「コアエクササイズを上達させるためにコアをトレーニングする意味はありません」とヘイスティングスは言います。「コアトレーニングの真の価値は、腹筋、臀筋、背中の筋力強化です。これにより、何かを持ち上げたり、走ったりなど、力を必要とするあらゆることが上達します。人々はこの効果に気づき始めています。」

    ヘイスティングスは、HIITやファンクショナルトレーニング、オリンピックのウェイトリフティング(重量挙げ)などの人気の高まりが、コアトレーニングの人気の高まりを後押ししたと考えており、このトレンドが続くと予測しています。より多くの人々がファンクショナルトレーニングとパワートレーニングがコアにもたらす利点を認識するようになっており、それは「リアクティブコアトレーニング」と呼ばれています。ヘイスティングスは、キックやパンチに動作は驚くほど効果的なコアワークアウトになると言います。もしくは腹筋を特に強化したい場合は、バスケットボールコートの長さを目安に前方ジャンプを行うことを勧めています。

    テクニック向上のためにテクノロジーを活用

    ウェアラブルセンサーは、心拍数、歩調、歩数、消費カロリーなどを知るのに最適です。でも、ホバーをしている時の腰の位置が高すぎるのか、また、エクササイズでコアすべてを活性化できたかどうかはどのようにして知ることができるでしょうか?それらは、近い将来テクノロジーが答えへと導いてくれるかもしれません。ハットフィールド氏によると、コアトレーニングの分野では、完璧なテクニックを身につけることをサポートするバイオフィードバック技術(意識にのぼらない情報を工学的な手段によって意識上にフィードバックすることにより,体内状態を意識的に調節することを可能とする技術や現象)を採用する準備ができています。すでに、コアトレーニングの要素がゲームの世界にも取り入れられています。最も効果的な動きを特定するために筋電図検査が使用され、完璧なフォーム形成のためにインタラクティブなAIモーションコーチアプリが使用されています。

    このテクノロジーは新しい腹筋トレーニング機器にも適用されるでしょうか?その答えは誰にも分かりません。しかし、ヘイスティングスとゴッシャル氏両名とも、新しい腹筋トレーニング機器は不要であると話します。「シックスパックを目的とする製品はこれからも出てくるでしょう。しかし、(広告などで)その機器の隣に立つシックスパックの人がいたとしても、きっとその人のシックスパックは広告対象機器でつくられたものではないでしょう。惑わされないように。」

    選択肢の広さを好むゴッシャル氏は、コアを鍛えるために時には新しい機器(ウェイト、メディシンボール、レジスタンスバンド、スタビリティボール、TRX)や負荷を追加して自らにチャレンジを課しています。しかし、強靭なコアをつくるために機器は必ずしも必要ではないと強調しています。

    怪我防止の新しい考え方

    何年もの間、理学療法士とカイロプラクターは弱く不安定なコアが原因で不調をうったえる患者たちを助けてきました。より多くの人々が強い体幹が腰痛を防ぎ、脚の怪我を減らすことができることを認識しはじめたいま、将来的に、フィットネスの専門家に怪我防止のためのアドバイスを求める人が増えることが期待できます。

    過去には、多くのリハビリやフィットネス専門家が、腹横筋や多裂筋などの小さな筋肉を鍛える独立したエクササイズにこだわってきました。初期の研究では、怪我のない参加者においてはこれらの小さな筋肉は腕や脚の動きに先立って活性化しましたが、腰痛のある人では活性化が遅れることが示されました。これが誤解して理解され、腹横筋や多裂筋などの小さな筋肉は「脊椎の安定性」において非常に重要であるという信念がもたれるようになりました。

    しかし、最近の調査ではそれが正しくなかったことが示されています。「私たちは今、腕と脚だけでなく体幹全体の筋肉を動かし活性化することの重要性を知っています」とハットフィールド氏は話します。だからこそコアに加えて、腕と脚の動きを含むクロスパターンのエクササイズにさらに焦点を当てるべきだと言えるでしょう。

    コアトレーニングの真の価値に気づく

    私たちは、何個にも割れた腹筋がすべてではない、という事実に気づき始めています。ヘイスティングスは、フィットネス業界は依然として見た目の美しさに着目しすぎていると考えています。コアトレーニングでいうと、シックスパックをつくるために時間と労力を費やしている人を連想させます。「私たちは皆シックスパックを持っているんです。ただ、ほとんどの人はそれが“見えていない”だけなのです。ウエストラインを引き締めたい場合は、体脂肪を減らす工夫をする方が効果的です。腹筋を割ることにこだわらずに、強く、健康な身体作りをするようなトレンドが広まることを期待しています。」コアトレーニングの真の価値は、くっきりと分かれたシックスパックではありません。今後のクラブ運営者は、コアだけのためのコアトレーニングではなく、全身の機能を強化するためのコアトレーニングという視点を持つ必要があります。