物理的な距離があるクラスでのエネルギーの上げ方

世界的に大流行した新型コロナウイルスの影響で、グループフィットネスクラスの参加人数が制限されている中、世界トップクラスのフィットネス体験を届け続けるにはどうしたらよいのでしょうか?

新型コロナウイルスの制限が解除され、ジムが再開されるにつれて、多くのインストラクターはレッスンの再開を喜んでいますが、「ニューノーマル」な環境でレッスンを行うことに難しさを感じている方も多いでしょう。ソーシャルディスタンスをとるためには、クラスの参加人数を減らさざるを得ないですし、また参加人数はクラスで生み出されるエネルギーにも影響を与えます。

例えば、いつも参加している月曜夜のBODYPUMPのクラスの参加者数が、パンデミックの影響で半分になったとしたら、ショックを受けるかも知れませんが、がっかりしなくてもいいのです!参加者数が少ない中でも、インストラクターとしての成長のチャンスだと考え方を切り替えればよいのです。Les Millsアンバサダーのリーガン・カンは、「何人の参加者に教えるかどうかは問題でなく、クラスを楽しみにしている参加者がいるのです。教えることにかわりになく、インストラクターとして毎回ステップアップする必要があります。」と話します。

参加者を歓迎しましょう

新型コロナウイルス前に比べて、スタジオプログラムへの参加を躊躇する方もいるでしょう。そんな中、クラス参加を決めた参加者を歓迎しましょう。覚えていて欲しいことがあります!もしあなたがその方々の前で参加者が少ないことに触れたトークをすれば、クラスのワークアウトにあまりポジティブではない影響を与えてしまう可能性があります。

インストラクターのジュリー・コルベットは、「重要なのは、目の前にいる参加者です。彼らはワークアウトをするために参加を決めてクラスに来てくれているのです。参加人数の多い少ないではないのです。インストラクターとして常にベストを尽くすことが大事なのです。」と話します。

また、タラ・テイラーというインストラクターは、「クラスが終わった後に、必ず参加者に参加してくれたことをどれだけ誇りに思うかを伝えるようにしています。」と話してくれました。

クラスを参加者のニーズに合わせる

人数が少ないクラスの場合、参加してくれているメンバーに合わせてコーチングを行うことが可能です。

クリエイティブ・ディレクターのカイリー・ゲイツは、「最近、土曜日1510からBODYBALANCEのクラスを行ったのですが、とても静かだったので、メンバーから音楽のボリュームを少し下げてほしいと言われました。そこで、私はこの機会に、より『静かなヨガクラス』を提供しようとおもいました。より呼吸を重視したコーチングを行い、テクニックの修正やアライメントに焦点を当て、よりパーソナルなレッスンにしたのです。

「“あなたの発言ではなく、あなたが参加者をどう感じさせるかが大事”と教えてくれたあるトレーナーの言葉を思い出しました」とインストラクターのエリカ・ジーン・フォスターは話してくれました。「インストラクターとして、満員の高いエネルギーを感じるクラスが成功の究極の尺度だと感じてしまうことがあります。それは間違いなく素晴らしく、楽しく、モチベーションを高めるものです。ですが、それだけではありません。参加者がより具体的にコーチングを受けることができ、サポートやつながりを感じると、自分たちはちゃんと見てもらえているんだと満足感をもってクラスを終えることができるのです。

満員のクラスと同じエネルギーで教えること

参加者が少ないほど、インストラクターはよりエネルギーを伝えたり、雰囲気を作りに努めなければなりません。

Les Millsアンバサダーのベン・メインは次のように述べています。「今日何人参加しているか、クラス全体が見えているのはあなただけです。参加者は皆、あなたのことを見ているのです。だからこそ、参加人数に関わらず普段と同じエネルギーで教えてください。メンバーはエネルギッシュなクラスを望んでいます。」この意見に、リーガン・カンも同意します。「人数は関係ないのです。クラスに来てくれた人みんなに、あなたのベストを見せることが大事です。私も金曜日21:30からのBODYPUMPクラスを持っていますが、参加者が2人ということも頻繁にありましたよ!」

インストラクターのレイ・ガーナーは、「まず、自分はこれから大きなスタジアムでたくさんの観客を前にパフォーマンスするんだ!と想像をします。そうすることで、私はパフォーマンスの要素を高めることができます。そして、クラスが始まるときには、エネルギーを高く保つために、満員のクラスだと想像します。その後、実際には参加している人は少ないということを意識し、よりブティック感覚のマンツーマン体験を提供するために彼らとコネクションを持つことに集中します。」と話します。

参加者数は、あなたのインストラクター能力と比例するわけではありません

参加者数の変動で落胆することもあるかもしれませんが、参加人数に影響を与える要因はたくさんあることを覚えておいてください。

レスミルズプログラムディレクターのレイチェル・ニューシャムは、「初心者のインストラクターとして、あなたの自信のレベルは、クラスへの出席率の増加と相関関係があり、参加者が少ないと自信のレベルも同じように低下することがあります」と話します。

「そのような時は、参加者の気持ちになってみましょう。何のためにクラスに来ているのかを思い出してみてください。一人一人が異なるニーズを持っていて、異なる理由でクラスに参加しているでしょう。私は最近、あらゆるタイプのクラスで教えていますが、大きなクラスが必ずしも良いとは限らないのです。」

アンバサダーのマーロン・ウッズは、「なぜあなたは今の仕事に就いているのか。参加者数が低い時には、インストラクターの道に進むと決めた頃のことを思い出してみてください。大きなステージでパフォーマンスがしたい、多くの人に教えたい、注目と浴びたい、と様々です。でも、もっと深い理由があるはずです。それを探るために、少人数のクラスで、参加者ともっと会話し、繋がりを持ちましょう。なぜこの仕事を選んだのか、その理由を改めて実感する機会を持ちましょう。」

「なぜ私達がはこの仕事をしているのか。参加人数が少ないことに腹を立てるのは、なぜ私たちが教えているのかを忘れてしまったからです。自分や、自分のエゴのためではなく、参加してくれるメンバーのためなのです。私達がこの仕事をしているのは、Fitter Planet(健康的な世界)を作るためで、参加人数を自慢するためではないのです。」

また、「クラスに参加しているのが誰なのか、どんな日々を過ごしているのかは分かりません。ですが、参加人数に関係なく、あなたと時間を共に時間を過ごすために参加を決めたのです。だからこそ、彼らの時間を尊重しましましょう。より健康的な自分磨きのために、クラスに来てくれたことを感謝しましょう!」と話します。

これをいいチャンスだと思いましょう

少人数のクラスは、我々インストラクターの成長をサポートしてくれます。クラスのモチベーションやコーチング、そしてエネルギーの上げ方を「実験」する機会なのです。

イバ・Mゲイアーインストラクターは、「今まで受けた最高のアドバイスは、少人数のクラスで、可能な限り最高のクラスをしなさいということ」と話します。その数人が、どれだけ素晴らしいクラスだったか話しながらスタジオを出ていってくれることが自分の自信につながるのです。

インストラクターのアリ・クラマーは、「そのメンバーと強力なつながりを築き、あなたのチームを作りましょう!そうすると自然と彼らはレッスンに足を運ぶようになるでしょう。2ヶ月前に3人で始めたLES MILLS GRITクラス。朝530分からやっていて、その時間にブートキャンプとスピンがあります。GRITは私のクラブにとっては初めてのことなので、今に至るまでは厳しい道のりでした。1人に対してレッスンを行うこともありました。でも今では5人の熱心な常連さんがいて、先週新しく2人の女性が参加してくれました。彼女達は私たち5人のコネクションがとても強いことは特別だと思うと言ってくれました。そして、また今週のレッスンにも参加してくれたのです。」と自身の経験をシェアしてくれました。

これら、トレーナーやインストラクターの話からもわかるように、少人数クラスは、インストラクターとしてのモチベーションを高めること、個人的な指導を行うこと、エネルギーを高めることなどを実験的に挑戦できるため、インストラクターとしての成長に非常に役つことがおわかりいただけたのではないでしょうか。ニューノーマルの環境で戸惑うことも多いかも知れませんが、いい機会とポジティブに捉えてぜひ自分のスキルアップにいかしてください。