夜はインストラクターに「早替わり」

スタジオでレッスンをしているとき以外、他のインストラクターが何をしているか気になったことはありませんか?

多くのインストラクターは、グループフィットネスのインストラクター以外の顔も持ちあわあせています。クラブメンバーのための素晴らしいワークアウトを提供するだけでなく、弁護士、救急救命医、殺人課の刑事、新型コロナウイルスのワクチンを開発する仕事などに携わっている人もいます。彼らのようなスーパーヒーローは、夜インストラクターとして働き、昼間は『他の仕事』をしているのです。どうやって生活のバランスをとっているかインタビューしました。

アシュレー・ウィザン(米)、 芸能弁護士/ BODYPUMP, LES MILLS GRIT, RPM, LES MILLS CORE

私は、世界最大級の芸能エージェンシーであるUnited Talent Agencyの商務弁護士です。私の仕事は、ニュースや放送の雇用契約、タレント出演契約、推薦やライセンス契約、講演契約、書籍出版契約などを検討し、交渉することです。

ロースクールを卒業した後、私は大手の法律事務所には就職せず、タレント事務所の郵便室で仕事をしてキャリアを積みました。成功するまでにはたくさんの時間と努力が必要でしたが、今では、才能溢れるクライアントやエージェントと一緒に、最も素晴らしいと思える業界で法律の学位を活かすことが出来ているのでとても幸せです。

若い頃、私はダンサーであり、チアリーダーであり、サッカー選手でもありました。ロースクールに通っていたときは、日曜日早朝のキックボクシングクラスに必ず通っていました。BODYPUMPに出会った時、私は一瞬で恋に落ちたのです。私は全てのBODYPUMPレッスンに参加し、すべてのコリオを覚えました。以前はインストラクターになりたいと思ったことはなかったのですが、BODYPUMPのイニシャルトレーニングモジュールを受けた後、これこそが私の真の情熱であることを知りました。

弁護士としての自分も、インストラクターとしての自分もどちらも関わる人の人生に変化をもたらしていると思っています。それが、初めてキャスターの仕事に就いたばかりのレポーターの契約書の見直しであっても、自分のためにジム通いを再開した3人の子持ちのお母さんにレッスンをすることであってもです。毎日、誰かの人生を変えるチャンスがあるのです。

ジェリー・カニンハム(米)、ニューヨーク警察の殺人課刑事を退任後、今は個人探偵 / BODYPUMP

殺人課の刑事として 私は殺人事件を調査してました。調査方法は、事情徴収、盗聴器、監視カメラ、尾行などです。それらの経験を生かして、今は私立探偵として詐欺事件を調査しています。

人助けをしたいという情熱から、公務員試験を受けて警察に入りました。警察学校で半年間訓練を受け、最初は制服を着て現場で働き、その後、麻薬課の刑事に昇進。最終的には殺人課の刑事という経歴です。

インストラクターの仕事も探偵の仕事も、どちらも人を助ける仕事です。私が殺人課の刑事だったとき、オフィスにジムを作り、みんながワークアウト出来る環境を作っていました。刑事の仕事は肉体労働でもあるので、私も仲間も健康でいることが非常に大事でした。また、勤務時間が長く、毎日が同じルーティンをこなすわけではないので、食生活が乱れることもしばしばでした。当時私の目標は、長いリタイア後の人生を健康的に生きることでした。

ジーザス・ミグエル・ロペス・ウルデネタ(ベネズエラ) 外科医/ BODYCOMBAT, BODYPUMP, LES MILLS GRIT

私は外科と放射線学の派生である核医学を専門とする医師です。ここスウェーデンには臨床生理学部門があり、私はそこで主に癌の診断を担当しています。核医学では、放射性物質を体内に少量注入し、それがどのように体内で分布するのかを観察します。それによって、どこにがんの根源があるのかを特定することができるのです。臨床を行うことで、病原がどのように広がっているのかを調べ、それを元にがん専門医が患者さんに治療を行います。また、治療に対してどのような反応を見せるかということも調査しています。私たちが最も力を入れている研究の一つがPET(陽電子放射断層撮影)で、これは腫瘍が全身のどこにあるかを映し出してくれます。

レッスンは仕事の重圧から解放してくれますし、また毎日多くの重症患者を診ている私にこの仕事を続けるエネルギーを与えてくれます。私はいつも同僚に「レッスンをすることと医師であることをどう両立するかではなく、レッスンをすることが私には必要なのだ」と話しています。

ジョーダン・ムーア (米) アニメーション技師/ BODYCOMBAT

日中はGearbox Softwareでテクニカルアニメーター/リガーとして働いており、Borderlandsシリーズのようなゲームの開発を行っています。仕事内容は、アニメーション用のキャラクターや生き物をリギングしたり、物理シミュレーション用の物理アセットを作成したり、リギングとアニメーションチームのためのコーディング/プログラミングツールを作成したりすることです。

私は一日中机に向かって座りっぱなしの仕事をしているので、レッスンをすることでフルタイムの仕事とのバランスを取っています。自宅で仕事をしていると孤独を感じることもありますが、グループフィットネスを行うことで社会とのつながりを感じられ幸せな気持ちになります。また、クラスの後はリラックスした気分になり、一日の終わりに精神的に落ち込むことも少なくなり、次の日にはリフレッシュした状態で仕事に取り組むことができます。

私のモチベーションは、人々を幸せにし、自分の情熱を他の人と共有することです。フィットネスもビデオゲームも一瞬だけ自分のことを忘れて、その瞬間に存在することができます。誰かが自分を超えられるような環境を作ることが、私にとっても嬉しい瞬間なのです。

ジョシュア・デイビス(米) 救急救命医師/ BODYPUMP, BODYCOMBAT, BODYATTACK, LES MILLS CORE

私にはルーティンがありません。昼間に働いたり、夜働いたり、休日に働いたり夜通し働くこともあります。救急医療では、支払い能力等には関係なく、あらゆる患者さんを平等に年中無休で診察します。この部分がこの仕事を気に入っている理由の一つです。また、常に新しいことを学ぶ環境なので、慢心せず、謙虚でいることを心がけています。

フィットネスは健康には欠かせないものですが、正直言ってその重要性は多くの医学部であまり取り上げられていません。インストラクターとしての私の役割は、他の救急救命医よりも、患者さんへのカウンセリングに有利だと感じています。

解剖学や病態生理学の知識があるので、動きや正しいフォームへの理解が深いです。そのため、メンバーそれぞれに対して最も効果的なコーチングを行い、必要に応じてその場でフォームに関する指摘を行えます。また、レスミルズの研修で学んだことが医療現場で役立つことも多々あります。例えば新しいスキルや手順を医学生に教えるときにコーチングのスキルなどを生かしています。

研修医の期間、私は何度か引っ越しをして、いくつかの町のいくつかのジムで指導してきました。グループフィットネスチームの仲間意識とサポートにはいつも驚かされます。

リサ・パットン(米) 臨床心理士/ BODYATTACK, BODYCOMBAT, LES MILLS CORE, LES MILLS GRIT, LES MILLS SPRINT, BODYPUMP

私は、訓練を受けた臨床心理士です。この数年、私の主な仕事は、麻薬性鎮痛剤オピオイドの流行により引き起こされた過剰摂取による死亡事故等の減少に注力することでした。現在は、メリーランド州に拠点を置くJBSインターナショナルの健康を最大化させる研究を行っている部門の副社長を務めており、最も弱い立場にある人々の健康と行動のニーズに取り組むことに重点を置いています。その立場で、私は農村部のコミュニティにおけるオピオイド流行の影響を軽減することに焦点を当てた仕事をリードしています。私たちは47州の350の地域機関やコンソーシアムと協力して、オピオイドの流行の予防、治療、リハビリに取り組んでいます。想像に容易いと思うのですが、新型コロナウイルスの大流行の真っ只中での、オピオイド対策は非常に困難を極めました。なぜなら、ほとんどのリハビリグループや投薬支援治療(オピオイド使用からの回復のための最善対策)の提供は対面で行われていることが多いためです。ですが、オピオイドの過剰摂取は新型コロナウイルスの流行期間中にも増加傾向にあるため、まだまだやるべきことはたくさんあります。

レッスンは私の一日は完結させ、人と人とをとてもポジティブな形で結びつけるのに役立っています。新型コロナウイルス流行前は、ほぼ毎日レッスンを行っていました。ロックダウンが緩和された今は、週に3日レッスンを行っています。レッスンを行うことですべてのことがうまくいくようになり、ストレスを解消し、自分自身の身体とつながり、会議やコンピューターの時間が長い日が続いた後は、思考し続けることから抜け出すことができるようになりました。ジムに入って、何年も一緒にクラスを受けているメンバーとつながることができるのは素晴らしいことです。私はストレスを忘れて、他のメンバーのモチベーションを上げたり、メンバーと他愛もない時間を共有したりすることを楽しんでいます。毎週のようにメンバーと出会い、フィットネスの旅の様々な場所で新しい人と出会い、そのサポートをすることができるのはとても嬉しいことです。

ルカ・カリーニ(米), NASA職員/ BODYPUMP, BODYBALANCE/BODYFLOW, LES MILLS CORE

私はNASAのHuman Health & Performanceという部門の中でシステムエンジニア、インテグレーションのリーダー、アルテミス計画で月面への再着陸を実現するため新しい宇宙服の製造を任されているヘルス&パフォーマンス部門の副長官を務めています。私の職責は、エンジニアによって設計・製造された宇宙服が、人間の動きのあらゆる側面を考慮しているかどうかチェックすることです。

新型コロナウイルスが大流行する前は、スターポートというNASAの中にあるフィットネス施設で、昼休みと仕事の後にライブクラスを持っていました。ランチタイムのクラスは、私と参加者にとって一日の中で最高の休憩時間で、宇宙服やミッションコントロール、NASAの他の場所に戻る前に精神的な休憩を取ることができました。コロナ流行後は、ライブストリーミングでのレッスンや可能な限り屋外で授業を行うようにしています。

フィットネスの仕事を通じて、自分が属しているコミュニティの一員として役にたっていると感じられることを嬉しく思っています。私の仕事はストレスが多くリスクも高いですが、クラスを行うことで従業員の健康維持に貢献できていることを実感しています。私が2つの仕事をしている理由は、地球上の生活を向上させたいと思っているからです。それが探検や技術開発であれ、クラスを教えることで人々の生活や健康を向上させることであれ、それらはすべてつながっています。物事は全てつながっているのです。

サラ・J・キャリー(米), 検事/ BODYPUMP and BODYCOMBAT

私のメインの仕事は、地方検事代理(検察官)です。新型コロナのロックダウン前は一日の大半を裁判所で過ごし、法廷での公聴会や依頼人との打ち合わせ、調停などを行っていました。ロックダウン中は、同じ仕事をZOOMで行っていました。勤務時間は長時間に及ぶこともあります。また、私は2児の母でもあります(1人は障害を持っています)。

本業の仕事は、レッスンを教えることにとても役立っていますし、またその逆もあります。どちらも人前で自信を持って話さなければなりません。私は早朝と日曜日のクラスを教えています。どちらの仕事も、常に新しいことを学び、気を抜かないようにしなければなりません。またどちらも人と接することが重要な仕事ですが、私はそれが大好きです。教えることで、検察官としての仕事がうまくいくようになりました。教えることは、私を幸せにしてくれ、さらに自信を与えてくれます。

私の仕事と教える仕事の両方の醍醐味は、人の人生を変えることです。本業では人々を助け、子どもたちを守り、教える仕事では人々の心と体を変えるお手伝いをしています。2年前、LESMILLSは私の人生を救ってくれました。2019年1月にLESMILLSのワークアウトを始めました。合計32キロの減量に成功し、今まで以上に体調が良くなりました。今、私は他の人の人生を変え、彼らの人生をより良くするお手伝いが出来ています。両方の仕事は私の生きがいである、人々に変化をもたらすことが出来るのです。

シッダント・グプタ(スウェーデン) 自動運転車の技術者/ BODYPUMP

私の仕事は、自動運転車の検証と開発です。研究エンジニア、またチームの技術リーダーとして、日々、自動運転車のソフトウェアを開発・検証するための戦略や革新的なメソッドの開発等をしています。

私の日々の仕事は、社内外のステークホルダーとのミーティングが多いです。ミーティング以外には、乗り物に関するワークショップや、机に座ってコーディングや関連資料の準備をする時間などがあります。それに加えて、現在の交通機関や自動車産業の時代の混乱の中で、私たちはそのペースに遅れを取らないように常にアンテナを張り巡らせている必要があります。

BODYPUMPのクラスを持つことは、私の本業を完璧に補完してくれます。なぜなら、それは私を別のレベルでチャレンジさせてくれ、ユニークな方法で私のモチベーションを高め、アドレナリンを放出してくれるからです。私が2つの顔を持つ理由は、移動手段の未来を変えるか、人々が健康になる手助けをするかのどちらかで、人々に貢献するためです!

ザッカリー・スコット(米) ワクチン技師/ BODYJAM, BODYPUMP, BODYATTACK, BODYCOMBAT

私は大手ワクチンメーカーの技師で、毎日ワクチンと向き合っています。私の典型的な一日は、会議、会議、そしてさらなる会議。。。通常、サプライヤーや外部パートナーの代表者、または自社の製造拠点と電話で(コロナが流行る前は、大規模な対面会議で)プロジェクトのスケジュールや今後の作業などについて話し合っています。

レッスンをすることは、私にとって「楽しい」仕事です。仕事で嫌なことがあったり、ストレスを抱えたり、すごい忙しく過ごしたときにこそ特にレッスンをしたい!という気持ちになります。コロナ流行前は1時間の通勤時間中に、今は自宅のデスクで音楽を聴いてコリオを覚えながら練習する時間を作っています。バックグラウンドでマスタークラスのビデオを流したりもします。ワクチン製造のために使う化学物質の安定性に関するメモを書きながら、GがBODYJAMで弾けているを見るのは、なんだか妙な安心感を与えてくれるのです。

私は自分の仕事が大好きです!ワクチンは科学の世界ではとても重要な部分であり、私は世界中の人々を守るために役立つ仕事をしているのだと思うと、非常に嬉しく思います。私は免疫学の学校に通っていたので、ワクチン学は非常に興味深い分野です。私たちが免疫システムがどのように働いているのかを知り、どうすれば免疫反応を刺激することができるのかを知ることは(通常は)信じられないほどの偉業です。COVIDのおかげで、私は自分の会社を通じてCOVIDワクチンに向けたプロジェクトに直接携わることができ、ワクチン開発にどれだけの仕事が関わっているかを知ることができました。

レスミルズのクラスを教えていることで、私の人生は本当に救われたと思っています。全体的に見て、本当に健康的になりました。以前の私は病的な肥満でしたが(一番重かった時、142キロでした)、クラスを受けたり教えたりするようになったおかげで、大幅減量し、健康的な体重を維持することに成功しています。教えることで、自分の健康を維持しつつ、他の人も進んで健康的になるお手伝いが出来ていると思っています。また、親たちはレッスンを受けている間、子供たちをジムに連れて行き、他の運動プログラムに参加させているので、子供たちの健康維持にも役立っています。私の目標は、子供たちが健康の大切さを理解しながら成長していく助けになることです。