レズミルズの日本と世界の架け橋になるような活動がしたいですね

NZでのLES MILLS GRIT リリース33のフィルミングから帰ってきたばかりの谷顕真トレーナー。 フィルミングにまつわる彼のエピソードや想いを語ってもらいました。

東井 ゆかり:

おかえりなさい!体調はいかがですか?

谷 顕真:

思ったより向こうでは時間があったので、そこまで疲れることなく、自分が心配していた喉の調子も日本にいるよりもむしろ良かったですね。多分、英語の方が喉に負担がかからないんだと思います。それに普段はレッスン全てを自分でリードをとって行うのですが、ニュージーランドのフィルミングでは自分の担当曲のみだったのでそれもあると思います。

フィルミング出演は目指していたのですか?

はい、目指していました。大学生の頃にスポーツクラブでアルバイトスタッフとして働いていたころからLES MILLSは始めていて、卒業後にパーソナルトレーナーとしてやっていくか、LES MILLSインストラクターとしてやっていくかを考えていて、そんな時に3か月間ニュージーランドに留学したんです。そこでLES MILLS漬けの生活を送って、嬉しいことにダンやレイチェルにも声をかけてもらえて。その時に「これだ。これでやっていくんだ。」という気持ちになれたんです。その時からフィルミングは夢にしていました。LES MILLSで食べていくのならそこは目指したいと思いました。

なぜ、出演依頼が来たと思いますか?

難しい質問ですね。フィルミングの依頼がきたときに理由は明記されていなかったんですけど、期待されていること、求められていることとして「フィジカル。世界を驚かすようなテクニックを表現すること」これを期待されているということは色々な場面でとても感じました。現地でBasからも「君がここにいる理由はそこにあるから、それをどうやって表現するかをコーチングプランでも練っていこう」ということも言われていました。

フィジカルやテクニックのレベルの高さは、日本のインストラクターはよく知るところですが、それがグローバルの中でも知られるようになったからこそ声がかかったんですよね。自分の強みが夢を実現することに繋がったと思うのですが、何か工夫されましたか?

半分は狙ってうまくいったということと、半分は偶然のめぐり合わせでご縁が大きいですね。一番大きく影響したのはSNSですね。特に今回のLES MILLS GRITに関してはそう感じています。昨年、ロサンゼルスでのシューティングに参加させていただいたのですが、これも今回のフィルミングと同様に、レズミルズ本社のマーケティングの方が僕のインスタグラムを見てくれていて、気に入ってくれたことが大きいですね。

実際に僕はインスタグラムを世界に発信するためやフィルミングに出演するためにやっていたかというとそうではないんです。でも結果的にそこにつながったという感じです。

フィルミング出演が決まった時の感想は?

正直、驚きました。

実はそのお知らせを聞く数日前にたまたま奥さんとその話をしていて、「今後のビジョンは?フィルミングとか目指してないの?」と質問されたんです。その時は、僕がフィルミングに出ることはないと思っていたので、「ないと思う」と答えたんです。その矢先に出演の話がきたので本当に驚きました。奥さんはドヤ顔でしたけどね(笑)

でも驚き以上に、LES MILLS JAPANのオフィスの皆さんがテレビ電話で祝福のメッセージをくれて本当に喜んでくれている雰囲気を感じて、それに対する感謝と感動が大きかったです。

フィルミングが終了した今も「どうだ、俺がやったぞ」ていう感覚は本当になくて感謝の気持ちだけですね。特に出演を聞いた時のあのテレビ電話の感動が今でも大きくて、自分のことなんだけど「チーム」を感じられた瞬間でした。

フィルミングまでにどのような準備をしましたか?苦労したことはなんでしたか?

苦労は絶対的に英語ですね(笑)

準備したことの分野を分けるなら、①英語、②最大のパフォーマンスのために体調を整えること、③プレゼンテーションをするための準備、の3分野ですね。そして、その中で苦労したのが英語です。

上海でのフィルミングとの違いとしては、今回はLES MILLS GRITというオンザビートではないということ。そして、前回の上海ではLES MILLS JAPANのトレーナーが複数いたのでサポートを受けることも多かったのですが、今回は単独でということでプログラムを取りまとめているエリンやインターナショナルとのやりとりを全て自分で英語で行わないといけないということがありました。

その準備で一番重要視したのは、日常会話です。なぜかというと現地に行った時にフィードバックをもらうことがあるので、それを聞き取れないといけないというのはもちろんですが、それ以上に自分がどうしたいという自分の考えを伝えられる程度の英語力がないとただ言われたことをするだけの人形のようになってしまうので。実際現地で苦戦しましたね。

フィルミングは29日でしたが、何日前に現地に入って、どのように過ごしましたか?

日本を出発したのが22日、到着が23日。初日はリラックスする時間とされていましたね。次の日からテストクラスに向けてのチームでの練習や打合せが2時間弱、テストクラスが毎日1回、というスケジュールでした。なので、本番までテストクラスを4回行いました。前日はリラックスする日にあてていただけていたので、衣装合わせが終わったら自由時間でした。日によっては、朝7時過ぎからクラスをして、そのあとフィードバックがあって、それで終了っていう日もありました(笑)時間の使い方が海外だなーって思いましたね。そのおかげでたくさんコーチングの自主練習が出来ましたけど。

海外のトッププレゼンターの中で自分の強みを出していかないといけなかったと思うのですが、それは何だと思いますか?

そうですね。海外のプレゼンターは背も高くて、モデルのような人も多いのでそういう部分で勝てるとは思っていないです。よく周りの方に言っていただけることとしては、「身体能力」ということが多いんですけれど、僕自身はそうは思っていなくて。なぜなら、身体能力が僕より高いプレゼンターなんてたくさんいるので。体が凄く大きくても跳べるというプレゼンターもいますし。その中で僕が強みだと思っているのは「パーフェクトテクニック」です。要は、魅せ方ですね。見られた時に綺麗に見せることができ、且つハイレベルな動きが出来るところ。だいたいは、レベルの高い動きをしようとすると、動き自体は乱れてしまうんですが、僕は綺麗でレベルの高い動きを続けて行うことが出来ます。あとは体幹の強さですね。その2つが自分の武器だと思っているし、そのように言っていただくことも多いです。

新しく発見した自分はありますか?

どちらかというと、現地に行って発見したというより、アドバンストレーニングを受けて、この1年間日本で自分が目を向けていなかった強みだったり、こんなこともあんなこともできるんじゃないかってことの発見の方が多かったんですよ。自分はフィジカルっていうところが強みだったんだけど、そこに頼らずにそれ以外にも自己表現が出来るということに取り組んだ2019年だったので。例えばコネクションをすごく意識してとってみたり。

そうやって1年取り組んで色んな武器を身に付けてニュージーランドに行った結果、その中で1周回ってやっぱり「フィジカル」が一番の強みでそこで勝負をする、自分の一番芯にあるもので勝負をする、それを出したいって思えました。

アドバンストレーニングを受けたこと、関われたことで改めてそこに気付けたことが大きな発見でしたし、自分の強みに自信を持つことが出来ました。新しいというよりかは、原点回帰ですね。

フィルミング中の他のプレゼンターとの思い出は?

2人いるんですけど、1人はフィルミングでは共演してないんですけど、Basですね。LES MILLS JAPANレーナーの今のチームを作り上げてくれた人ですし、思い入れがありますから。僕のフィルミング出演を本当に喜んでくれてましたし、現地でも数えきれないほど「誇りに思う」と言ってくれました。

現地での彼のサポートは本当にすごくて、忙しい中親身になってサポートしてくれて本当に感謝しています。

もう一人は共演したナターシャですね。彼女は日本人の血が入っているので、日本語も話せますし、その彼女がいることで安心できました。また、彼女はそうは言いませんが、僕がリラックスして過ごせるように彼女の家にプレゼンターを招いてパーティーを開いてくれて、僕がチームと交流できるように配慮してくれました。その心遣いに感謝しています。

でも、ナターシャは僕とのコミュニケーションは意識してなのかわかりませんが基本的に英語でしたけどね(笑)でも、そのおかげで日本語に逃げずに済みました。

フィルミングの期間中に苦しかったことは?

やっぱり英語ですね。コミュニケーションは割と取れたので日常は大丈夫でした。

言われたことにすぐに返せるように英語の反射神経を高めないとということに結構気を張っていました。その証拠に面白いエピソードで、現地で日本人の方に「こんにちは」と話しかけられているにの反射的に英語で返事をしようとしている自分に気付いて、日本語でいいやん、て自分に突っ込んだくらいです。

それくらい脳が英語漬けになっていて、部屋に帰った時には、身体より脳が疲れたーという感じでした。

あとは、コーチングのスクリプトを頭に入れないといけなかったこと。

テストクラスを4回やったんですけど、2回目のクラスが最悪だったんです。元々考えていたスクリプトを1回目に実施して、そこに手直しが入ったんですけど、それがまったく頭に入ってこなくて覚えられなくて。散々覚えたスクリプトが染みついていて変更することがなかなか出来なかったんです。

それをどうやって乗り越えましたか?

1つは当たり前なんですけど、とにかく反復するということ。それに尽きます。

これは日本語でも使えると思うんですけど、Basからコツを教えてもらったんです。

英語での会話は、言葉の出すリズムっていうんですかね、文章の中で伝えたいと思っている一番重要なワードを一番強く言うんだよっていうのを教えてもらって。それをやってみると急にストンと言葉が入ってくるようになって。文章で覚えようとしていたから入ってこなかったものが、キーワードで覚えれるようになって、そうするとセンテンスでも言葉が出てくるようになりました。

これは、日本語にも使えると思うんです。実際にアドバンストレーニングでも学習することですけど。たとえば、コーチングのスクリプトをすごく細かくしているインストラクターの方は、文章を覚えるのが大変だと思うんですよね。クラスも毎回違うから、丸暗記での毎回同じコーチングでは生のクラス感が出ないし。僕がやったように一番伝えたいキーワードだけ、要は大枠だけを考えておけば自然と言葉が出てくるようになると思います。

ニュージーランドでのフィルミング、想像していたものとのギャップは?

上海は、実際にLIVEの様子を撮影しましたが、今回は完全にフィルミングのためのものでしたから、色々と違いはありました。

ここで言うとネタバレになるので詳しくは言えませんが、普段のクラスと違ってカメラの向こうで見ている方々に対してコーチングをするので、特にGRITはフロアコーチングがありますから、リアルな感じを出すのに苦労しましたね。

帰国してから戻ってから通常のクラスに変化はありましたか?

戻ってからはそんなにないですね。というのも、繰り返しになりますが、アドバンストレーニング以来、この1年の方がたくさんチャレンジをしていて、そしてフィルミングを通じて原点回帰できたので、もしあるとすれば、原点としての自分の表現ですかね。そこに注力していきたいなって思います。

今後の谷顕真としてのビジョンを教えてください。

大きく2つ。

1つは、今まで自分が経験してきたものをどれだけつないでいけるか、伝えていけるかというところにはフォーカスしていきたいですね。特にトレーナーのみんなに。フィルミングを目標にしている人もそうだけど、そうじゃない人も、もちろんフィルミングがゴールじゃないのだけど、プレゼンターとして優れることはとても大切なことなので、それってどういうことなんだろうということもトレーナーやインストラクターに伝えていけると思いますし、僕は仕事としてLES MILLSでキャリアを積んできたので、インストラクターの皆さんのキャリアを作っていくことのサポートもしたいです。

もう1つは、お陰様で、2019年の1年で、日本での認知度だけでなく、世界での認知度やインストラクター、お客様に与えている影響が自分が思っているよりも大きいことを感じています。それを活用して、日本と世界をつなぐような活動をもっとしていってMADE IN JAPANの良さ、日本の優れていることは多々あるので、それをもっともっと発信して日本でやっているスタンダードが世界のスタンダードになるようなことを作りたいですね。日本と世界の架け橋になるような活動がしたいですね。

フィルミングの経験を経て、インストラクターのみなさんへメッセージをお願いします。

夢を持って欲しいなと思います。大きな絵を描くことはとても大切なことで、そこに謙虚さなんていらないですよね。自分なんて無理だと思ってしまうと、能力って成長しないと思うんです。出来ないことに対して夢を描くからこそ、チャレンジが出来る、だからこそ夢を持って欲しいんですけど、その時に意識して欲しいことはそれが「仕事である」ということを忘れないで欲しいです。皆さんがレズミルズをしているのは、レズミルズが好きだからだと思いますが、趣味ではなく「仕事として目標としているもの」というモチベーションとして夢を描いて欲しいです。プロフェッショナルとして自分が仕事として描くゴール、夢というイメージで、じゃあ何をすればいいかという計画を立てて欲しいですね。

谷顕真はLES MILLS JAPAN内の 、LES MILLS GRITとCXWORXのプログラムコーチ、BODYCOMBATのトレーナー、BODYPUMPのインストラクターです。2019年にはReebok×LES MILLSウエアの宣材として、シューティングにも参加。関東を拠点に複数のクラブでクラスを受け持っており、Reebok one アンバサダーも務めます。