
近年、LES MILLS LIVEやHYROXといった大規模フィットネスイベントへの関心は高まるばかりです。会場を訪れたことのある人は言うまでもなく、そうでない人も、SNS等で盛り上がる様子を目にしたことがあるでしょう。しかしながら、イベントでの忘れられない体験というものは、必ずしも大規模である必要はありません。大切なのは、いかにして「非日常」で「特別」な空間を演出するかであり、それが会員のエンゲージメントアップや新規入会の促進につながるのです。
まず認識すべきは、若い世代にとってフィットネスはアイデンティティを形作る要素であり、ライフスタイルの一部になっているということです。以前は、ナイトライフやパーティーに費やされていた支出が、フィットネス関連へシフトしているという調査結果もあるほどです。また、Les Mills Internationalのレポート「2026 Global Fitness Report」によると、現代人の多くはメンタルヘルスの向上やストレスの軽減を求めています。だからこそ、数あるイベントのなかから、前述のようなフィットネスイベントが選ばれているのかもしれません。
LES MILLS LIVEのようなフィットネスファンが集まるイベントは、新たなつながりを生み出します。一方、HYROXのようなレース系イベントは、競技への敷居を下げ、運動が好きであれば誰でも参加できるものとして急成長しています。どちらにせよ、同じ価値観を持つ人と交流することは、現代人が価値を感じる要素なのです。
大規模なイベントには、「ひとりでは参加しにくい」という側面があるのも事実です。これは同時に、クラブにとってのチャンスを意味しています。冒頭でもお伝えしたように、会員に「非日常」で「特別」な時間を提供するために3日間のフェスは必要ありません。では、海外や国内のクラブ、そしてLes Mills Japanの事例とともに、イベントを通して会員のエンゲージメントを高め、新規入会を促す方法を見ていきましょう。
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施設で開催するイベントは、ライブハウスのような熱気とフィットネスならではの爽快感を同時に生み出すことができ、参加者にとってはパーティーのような体験になります。そのために必要な「非日常」で「特別」な雰囲気は、ちょっとした工夫で作ることができます。そこで、Les Mills Japanのトレーナーとして活躍するだけでなく、大阪のStudio TRIVEでジェネラルマネージャーを務めるKimiに話を聞きました。
「Studio TRIVEでは、祝日イベントやニューリリースイベントなどスタジオで行うものから、より大きな会場で行うLes Mills Campまで、内容や体験の異なる様々なイベントを開催しています。いつものスタジオで行うイベントは、毎回専用のPOPやSNSビジュアルを制作することで特別感を演出しています。告知の段階から『楽しそう!』『参加したい!』と思ってもらえるよう、見せ方にもこだわり、イベントへの期待感を高めています」。
祝日はもちろん、ハロウィーンやクリスマスなどの行事に合わせてイベントを開催するのもいいでしょう。いつもと同じプログラムであっても、スタジオの装飾に少し手を加えるだけで、「非日常」で「特別」な雰囲気を作ることはできます。さらに、「Les Mills導入5周年」や「100回目のクラス」など、クラブやインストラクターのアニバーサリーを祝うイベントもおもしろいかもしれません。アイデア次第で、いくらでも付加価値を付けることはできます。大きな予算をかけずとも、会員を楽しませるイベントを開催することはできるのです。
会員同士がつながることは、クラブへの愛着を深めるキッカケになります。ABC Fitnessの「2025 Wellness Watch」によると、Z世代の47%がフィットネスを続ける理由に「コミュニティの存在」を挙げています。忙しい日々のなか、クラスが終わるとすぐ帰宅しなければならないという会員は少なくありません。だからこそ、いつものクラスと異なる時間帯に開催されるイベントは、会員同士がより長い時間を共有でき、交流を深める絶好の機会になるのです。前述の祝日イベントやニューリリースイベントなどは、まさに打って付けと言えるでしょう。
毎年、大規模なフィットネスイベントを開催しているイギリスのクラブ、BH Live Activeでグループエクササイズマネージャーを務めるマリー・エリオット氏は、次のように話します。「私たちは毎年1月に、地域コミュニティのためにイベントを開催しています。様々なプログラムを紹介することはもちろんですが、コミュニティの皆さんにとって少しでも明るい月にしたいという想いがあります。テーマは『大胆』。明るいカラーのウェア、ブラックライト、暗闇のなかで光るアクセサリーなど、楽しい要素をたくさん盛り込んでいます。会員はいい形で1年をスタートすることができ、さらに誰かが新たなフィットネスジャーニーをスタートさせるキッカケになればと思っています」。

イギリスの事例は、地域を巻き込んだ大規模なイベントでしたが、小規模であっても新たなつながりが生まれることはあります。先日Les Mills Japan主催で開催した「LES MILLS YOGA DAY」では、クラスの間に長めの休憩時間を設けることで参加者同士の交流が生まれ、イベント後にSNSを交換するような光景も見られました。こういったイベントは、普段は異なるクラブに通うフィットネスファン同士が知り合うキッカケになります。小さなつながりが徐々に大きくなり、それがコミュニティへと成長していくのです。
クラブでイベントを開催することが決まったら、前後に行う宣伝の準備に着手しましょう。ここでは、おおまかに3つのステップをご紹介します。
a. 告知
まずは、会員や近隣のフィットネスファンにイベントの開催を伝えなくてはいけません。規模にもよりますが、どんなに遅くともイベントの3週間〜1ヶ月前を目処に告知を始めましょう。下図のように様々なタッチポイントがあるので、それぞれに適したビジュアル(※)を作成し、告知をします。伝えたいことの優先順位を明確にし、あまり情報を詰め込み過ぎないようにするのがポイントです。また、告知を複数回に分け、段階的に情報発信することで期待感を高めることもできます。もちろん、インストラクターからの発信は必須です。
※プログラムのロゴやハイクォリティな写真をお探しなら、ぜひMarketing Studioをご活用ください。

b. 素材の確保
イベント当日は、様々な用途で使用できる素材(写真や動画)を確保しましょう。また、Instagramストーリーズなどで、イベントの様子をリアルタイムで発信するのもいいかもしれません(※)。イベントに参加できなかった会員も投稿で見ることができ、エンゲージメントアップやより広い客層に向けてのリーチにつながるはずです。撮影した写真や動画を次回のイベント告知に活用することで、よりリアルなイベントの雰囲気を伝えることができます。
※音楽等、権利の都合上、長尺動画の投稿はご遠慮ください。また、ライブ配信も禁止行為となります。
c. リキャップ投稿
イベントが終了したら、なるべく間隔を空けずに写真や動画をSNSに投稿しましょう。より多くの人に「こんなに楽しいイベントだったよ」「次回はぜひ参加して ね」というメッセージを発信することで、早速次回への期待感を煽ることができます。イベントを楽しんでいる参加者やインストラクターの姿は、これ以上ない販促素材になります。また、多くの人がシェアすることで、クラブ自体の宣伝にもつながります。
また、SNSやイベントを通して、既存会員のエンゲージメントを高め、新規会員の興味を惹くためのガイドもご用意しています。販促素材を最大限に有効活用するため、ぜひご参照ください。ダウンロードはこちらから。
ノベルティグッズ
イベントの価値を高めるには、ノベルティグッズの配布も効果的です。参加の記念になるだけでなく、後日イベントを思い出すキッカケにもなります。イベント当日の体験を「その場で終わらせない」仕掛けとして、形に残るノベルティグッズの制作も検討してみてください。クラブのロゴやイベントのタイトルをプリントしたものが定番で、比較的低コストで制作可能なものとして以下が挙げられます。
・ステッカー
・シリコンバンド
・ミニタオル
・エコバッグ
・ウェットティッシュ
イベント開催に際し、一定の条件をクリアしている場合には、Les Mills Japanからステッカーなどのノベルティグッズを提供しています。興味のあるクラブご担当者様は、担当営業または info.japan@lesmills.com までお問い合わせください。
スタジオでのイベントは、熱心なグループフィットネスファンにとってはちょっとしたご褒美のようなもので、エンゲージメントアップにつながります。一方、スタジオの外でイベントを開催することで、異なる層の関心を引くこともできます。例えば、ジムエリアなど人目につきやすい場所で印象的な瞬間を生み出すことができれば、普段スタジオを利用しない会員の好奇心を刺激することができるでしょう。ジムエリアの利用者に予想外の体験を提供し、スタジオクラスの魅力を伝えることができれば、新しい層への扉を開くことができます。
アメリカのクラブチェーンCLUB4は、この方法でジムエリアにいた会員をスタジオへ呼び込むことに成功しました。同クラブでグループエクササイズ/スモールグループトレーニングディレクターを務めるマイク・ロウ氏は、次のように話します。「私たちはスタジオクラスをジムエリアへと持ち出し、ターフの上でスペシャルセッションを実施しました。手始めにまず、施設内の音楽をLES MILLS STRENGTH DEVELOPMENTのトラックに変えたのです」。
さらに、ロウ氏は続けます。「ジムエリアの利用者にとって、日頃スクワットラックやベンチプレスで行っている種目をグループで行えることは新たな発見でした。お互いをサポートし合うコミュニティの存在もあり、以降、少しずつスタジオクラスに参加する会員が増えました」。
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もちろん、施設の外でイベントを開催するケースもあります。大阪のStudio TRIVEが開催している屋外イベント、「Les Mills Camp」では、野外フェスのような開放感とグループフィットネスの一体感を同時に体験できるということで毎回大盛況だそうです。Kimiは、次のように話します。「青空の下、音楽とともにフィットネスへの熱量を共有する時間は、『屋外ならではの解放感が気持ちいい!』など、多くのポジティブな声を頂いています」。さらに、Kimiは続けます。「人通りが多く、イベント参加者以外の目にも留まりやすい会場は、新たな層との接点を生み出します。見学だけでも楽しめるスペースを設けることで、『次は参加してみたい』と問い合わせてくる人も珍しくありません。そのため、会場近隣のクラブと連携し、体験につながる導線も用意しています。興味で終わらず、すぐに試せる環境までつなげることが、新たな参加者を獲得するうえで重要な役割を果たしています」。
定期的にイベントを開催していれば、会員が友人を連れてくるような機会も自ずと増えることになります。そうすることで、より強いコミュニティの土台ができていくのです。アイルランド・ダブリンのクラブ、West Wood Clubsでは、イベント開催を施設の恒例行事として位置付けています。グループトレーニングマネージャーのタイン・ボールズ氏は、イベントが会員の継続率とクラブの成長に直結していると語ります。「一番の目的は会員とのエンゲージメントアップです。それはポジティブなエネルギーを高め、クラブへの愛着を深めることにあります。特に若い会員にとって、イベントは非常に重要であり、普段スタジオで見かけない層を呼び込むための有効な手段です。現代の会員は、ただ運動をしたりウェイトを持ち上げたりするためだけにクラブを訪れているわけではありません。誰もが体験を求めているのです」。
「屋外で開催するLes Mills Campも、スタジオで開催するニューリリースイベントも、少なからず新規入会につながるケースはあります」とはKimi。さらに、こう続けます。「Les Mills Campは、開催するたびにリピーターが増えています。盛り上がりの継続を支えているのは、参加者による口コミやSNSでの発信です。イベント当日で完結するのではなく、その後写真や動画、感想が共有されることで、新たな関心を生み出し、フィットネスの輪が広がっていくのです。イベントでLes Millsに触れ、そのまま入会にいたったケースもあります。もちろん、スタジオで行うイベントも同様です。通常のクラスより友達を誘う口実になりやすいようで、体験入会のような感覚でイベントに参加する人も見受けられます」。
まずは、どんなイベントができるかを考えてみましょう。会員が喜ぶ姿を想像すれば、企画会議もきっと楽しいものになるはずです。